衆議院環境委員会でクマ対策被害について質問
2025.12.06 10:20(4か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
12月5日、衆議院環境委員会で質問に立ちました。
【クマ被害対策】
・麻酔銃、吹き矢
・銃犯罪の抑止
・農作業の安全確保
・熊肉のジビエ利用
・個体数管理の方法
本編は、こちらをご覧ください。
議事録
第219回国会 衆議院 環境委員会 第3号 令和7年12月5日
西園委員 公明党の西園勝秀です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。石原大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
十二月二日の参議院環境委員会におきまして、我が党の竹谷とし子委員は、若い民間ハンターの育成を促すためにも、国として十分な補償制度を整備すべきであると訴えました。先ほど、川原田委員からも補償の必要性の訴えがあり、政府として交付金で自治体への財政支援を行うという答弁がございました。本当にこれは大変重要なことだと思います。
さらに、熊の捕獲任務というのは私は精神的負担が大変大きいというものだと思いますので、PTSDなど、こういう精神的被害への救済についても是非御検討をお願いできればと思います。これは要望とさせていただきます。
私からの最初の質問は、熊の捕獲方法についてでございます。
国家公安委員会規則の改正により、人里へ侵入した熊について、警察がライフル銃を用いて駆除することが可能となりました。しかし、市街地においては、弾丸が目標に命中しなかった場合、壁や地面で跳ね返り、周囲の住民に危害を及ぼすおそれがあることから、その運用に当たっては極めて慎重を期す必要がございます。
十一月十七日には、岩手県岩泉町の住宅街にある柿の木付近で熊二頭が出没し、翌十八日にも同じ場所に現れました。県警のライフル銃チームが出動し、午後一時過ぎから対応に当たりましたが、熊が高所に位置していたため射撃が困難であり、加えて日没を迎えたということから、午後四時頃には駆除には至らないまま対応が終了しました。その後、猟友会等により追い払われましたが、捕獲には至っておりません。
本年十月十五日から十二月一日までに報告されている緊急銃猟の事例は、四十一件に上ります。しかし、岩泉町の事例のように、市街地ゆえに発砲ができず、結果として見逃されてしまうというケースも少なからず存在すると考えます。
市街地で熊を安全に捕獲するためには、弾が跳ね返る危険性がある散弾銃やライフル銃ではなく、空気圧で発射する麻酔銃の活用を私は進めるべきではないかと考えていますが、いかがでしょうか。また、市街地で麻酔銃を使用する際の留意点などございましたら、教えていただければと存じます。
堀上政府参考人 お答えいたします。
市街地におきまして銃器により熊の捕獲等をする場合には、現場の状況や、あるいは対応できる人材等を踏まえて、用いる銃器の検討をする必要がございます。
委員御指摘の麻酔銃につきまして、例えば建物内での銃猟の場合などは、射程が短いということが利点になるということでございますが、一方で、麻酔の効力が表れるまでに時間を要するということがありまして、撃たれた個体が興奮して、捕獲関係者あるいは周辺の住民に危害が及ぶ可能性も考慮する必要がございます。
こうしたことから、環境省が作成した緊急銃猟ガイドラインにおきまして、緊急銃猟で麻酔銃を使う、その際の注意点として、熊が衰弱して動かない、あるいは拘束されているかどうか、人と熊との間で距離がちゃんと確保できているかどうか、そういったところに注意が必要であるということを周知してございます。
加えて、麻酔薬を安全かつ効果的に使用できる技能が必要であること、ここにも留意が必要であると考えております。
西園委員 ありがとうございます。
私は、麻酔銃よりも更に簡単な捕獲方法として、麻酔吹き矢の活用が考えられるのではないかというふうにも思います。銃を扱うには免許が必要となりますが、吹き矢であれば、麻酔を扱える獣医師の方にも熊の捕獲を担っていただくことができます。
私は、昨日、岩手県内で唯一、市街地で麻酔吹き矢を用いて熊を捕獲できる獣医師である辻本恒徳先生からお話を伺いました。辻本先生は、盛岡市の職員であり、盛岡市動物公園ZOOMOの園長を務めておられます。岩手県には熊の捕獲を行える獣医師が県職員としていないため、県の要請を受けた辻本先生が、今年度は盛岡市で四回、釜石市で一回、麻酔吹き矢で捕獲をされております。ちなみに、現在、麻酔吹き矢で熊を捕獲できる獣医師を有する都道府県は、北海道、秋田県、兵庫県に限られております。
私は、辻本先生に、政府に求めるべき対策について伺いました。先生からは、次の二点の要請がございました。第一に、緊急銃猟において吹き矢が財政支援の対象外となっているため、是非対象に加えてほしいということでございます。第二点目に、岩手県及び盛岡市が進める、吹き矢を扱える人材育成が行われているわけですが、政府のバックアップをお願いしたいということでございました。
以上の二点について、政府の御見解をお聞かせください。
堀上政府参考人 環境省におきましては、自治体が行う熊の対策事業について交付金による支援を行っておりますけれども、吹き矢による麻酔の実施を担う専門人材の育成についても交付の支援対象にしてございます。また、吹き矢による捕獲等の出没防止対策、これも支援対象としているところでございますので、引き続き、自治体のニーズに応じて、適切に支援を進めてまいります。
西園委員 是非よろしくお願いいたします。
ハンターの増加というのは、銃所持者の増加を意味することから、より一層の厳格な銃の管理が求められるわけでございます。仮に銃が盗難に遭って第三者に悪用されれば、地域の治安に深刻な影響を及ぼします。熊対策において銃の使用は不可欠の要素である一方、その管理が極めて重要でございます。
銃による事故や犯罪を未然に防止するため、政府としてどのような対策を講じておられるのか、お聞かせください。
服部政府参考人 お答えいたします。
猟銃等の銃砲刀剣類につきましては、その危険性に鑑みまして、銃刀法において一般的にその所持を禁止しているところでございまして、その一方で、社会的有用性を有する面もあるため、一定の場合には、都道府県公安委員会の許可を受け、銃刀法の規制の下に置かれることを要件として所持を認めているところでございます。
猟銃を所持しようとする場合には、警察において、当該許可を受けようとする者の人的欠格要件、所持しようとする猟銃に係る構造上の要件等について厳格な審査を行っているところでございます。また、猟銃の所持許可者に対して、その使用や管理の状況等につきまして継続的に確認しているほか、所持許可者については、三年ごとに許可の更新の審査を行っているところでございます。
引き続き、銃刀法等の規定を適切に運用し、猟銃による各種事故や犯罪の防止を徹底してまいりたいと考えております。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
銃の適切な管理、よろしくお願いいたします。
農山村では、農業従事者が作業中に熊と遭遇し、深刻な事故につながる事例が増えております。早朝や夕方に一人で作業する場面も多く、畑に行くのが怖い、収穫ができないといった切実な声が相次いでいます。農家の安全が確保されなければ、地域農業の継続にも影響が出かねません。農業現場における熊対策は、農業従事者の命を守る安全対策として国が早急に強化すべき重要な課題でございます。電気柵の整備、出没情報の迅速な共有、高齢農業者が多い地域での見回り体制の強化、猟友会との連携など、総合的な対策が求められています。
そこで、伺います。
農業従事者の安全を確保するため、現在どのような対策が講じられているのか、また、今後どのようにその対策を強化していくのか、お伺いいたします。
河村政府参考人 お答えいたします。
農業現場における安全確保についてでございますが、十月三十一日付で、都道府県に対しまして、農作業等における安全確保の徹底に向けた通知を発出いたしまして、作業時にはラジオ等で音を出して人の存在をアピールすることや、熊撃退スプレー等の装備品を携帯すること等の指導を行っているところでございます。
農林水産省といたしましては、こうした装備品の支援に加えまして、農地周辺の電気柵の整備等に対しまして鳥獣対策交付金での支援を行いまして、農地に熊を寄せつけない対策を推進しているところでございます。
また、人口減少や高齢化が進む中山間地域におきましては、熊による危険を回避しつつ効率的に対策を進めていくために、遠隔で農業現場を監視できるようなセンサーカメラなどICT機器の活用が有効と考えておりまして、このため、これらの機器の導入に対しまして鳥獣対策交付金で支援することに加えまして、様々なメーカーの機器がある中で、各地域の導入の検討に資するように、自治体で一定の導入実績のある機器の情報を農林水産省のホームページ上で一覧にして公開しているところでございます。
これらの対策を通じて、農作業に関わる方の安全に万全を期してまいりたいと思っております。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
撃退スプレーについては、先ほど、やはりしっかりしたものじゃなきゃ駄目だという話がございましたので、その点も是非踏まえていただければと思います。
近年、熊の捕獲数が増加する一方で、その多くが廃棄され、地域資源として十分に活用されていない現状がございます。その一因として、熊を食肉として処理するためには大型設備を備えた施設が必要であるということが挙げられます。さらに、トリヒナなどの寄生虫による感染リスクがあるため、ジビエとして活用するには衛生面での適切な処理が不可欠でございます。このような要件を満たし、熊肉を扱えるジビエ加工施設は全国でもごく僅かとなっております。
捕獲した熊のジビエ利用の可能性や、その需要はあるのでしょうか。政府としてどのような支援策や体制を講じておられるのか、お聞かせいただければと存じます。
河村政府参考人 お答えいたします。
熊を含め、鳥獣のジビエ利用につきましては、適切な個体処理、命の有効活用という観点から、大変有効な取組と考えておりまして、また、今般のクマ被害対策パッケージにおきましても、捕獲強化により増え過ぎた熊の個体数の削減、管理の徹底を図るということとされておりますので、農林水産省としても推進しているところでございます。
ジビエ利用を推進する観点からは、同時に、食品としての安全性確保についても進める必要があることから、農林水産省におきましても、食品衛生法に基づく食肉処理業者の営業許可の施設で解体された肉を利用することですとか、中心部まで十分に加熱処理することなどにつきまして、消費者や事業者に対して周知しているところでございます。
また、鳥獣のジビエ利用につきましては、商品開発ですとか販路開拓、プロモーションなどの情報発信ですとか、あと、衛生管理の知識を有するジビエハンターというものを育成してございまして、これらは鳥獣対策交付金で支援しているところでございまして、引き続き取組を推進してまいります。
西園委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
最後の質問にさせていただきます。
人と熊の生息環境を分けるためには、雑木林ややぶの伐採を進め、生活空間への侵入を防ぐ緩衝地帯の整備が重要です。しかし、こうした土地の中には所有者不明土地や管理不全土地が存在し、対策を進める上で障壁となっております。ゾーニングを実効あるものとするためには、こうした所有者不明土地や管理不全土地の管理課題に適切に対処する必要がございます。
また、熊と人間との共生を図っていくためには、適切な個体数管理が重要でございます。被害防止と生態系保全の両立が求められる中、今後、どのような方針で個体数管理を進め、熊との共生を図っていかれるおつもりなのか。これは石原環境大臣に是非お答えをいただければと存じます。
石原国務大臣 お答え申し上げます。
人の生活圏に侵入した熊には、人里に餌があると学習している可能性が高く、まずは、緊急銃猟等を通じて適切に駆除を進めて、地域住民の安全、安心を確保する必要があると思います。
一方で、中長期的に人と熊のすみ分けを進めるには、熊の個体数管理や生息環境の保全、整備も重要であるというふうに考えます。
環境省においても、都道府県と連携しながら、全国的な熊の生態調査を実施をいたします。また、個体数推計や捕獲目標数を精緻化し、科学的かつ統一的な統計手法に基づく個体数管理を地方自治体と連携して進めていく所存でございます。
また、個体数推計の具体的な方法としては、自動撮影カメラの画像の分析や、採取した熊の毛の遺伝子の解析により、個体を識別し、個体数を推計する方法があります。
現在、調査方法を含めた計画を立てている段階であり、速やかに調査を開始し、適切な個体数管理を進めてまいりたいというふうに考えております。
西園委員 大臣、丁寧な御答弁ありがとうございます。
本当に、適切な個体数管理をやって、やはり熊と人間がしっかり共生できる社会というのをつくっていく必要があるかと思いますので、是非、環境省にはよろしくお願い申し上げます。
以上で終わります。ありがとうございます。
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