衆議院国土交通委員会で「港湾の施設の技術上の基準・同解説」の改訂等について質問
2026.05.29 19:45(4か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
5月29日の衆議院国土交通委員会で、「港湾の施設の技術上の基準・同解説」の改訂等について質問しました。
議事録
第221回国会 衆議院 国土交通委員会 第11号 令和8年5月29日
西園委員 中道改革連合の西園でございます。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。早速、質問に入らせていただきます。
まず、特定利用空港・港湾について質問をさせていただきます。
特定利用空港・港湾は、民生利用を主としつつ、自衛隊や海上保安庁のニーズにも配慮し、安全保障上の重要性を踏まえながら、必要な機能強化や既存事業の促進を図る制度と認識しております。
しかし、その多くは北海道や九州・沖縄地域に集中しており、昨年四月一日時点では、太平洋側の関東、中部地方には一件も指定がございませんでした。
そこで、私は、昨年四月十日の衆議院安全保障委員会において、特定利用空港・港湾の対象拡充について質問をさせていただきました。その後、政府において対象の拡大が進められ、本年四月には、愛知県において、名古屋港、三河港、中部国際空港で新たに指定がなされました。地元の要望に応えていただいたことに心より感謝申し上げます。
一方、特定利用空港・港湾は、南海トラフ巨大地震など大規模自然災害における自衛隊の活動拠点としての役割も期待されています。
昨年八月三十一日には、愛知県田原市において、自衛隊による救援物資の空中投下訓練が実施され、防災関係機関との連携強化が図られました。今後は、自衛隊艦船による救援物資の搬入や被災者の輸送など、三河港の更なる活用が期待されるところです。
こうした観点から、特定利用空港・港湾制度をより実効性あるものとするため、災害時において、救援物資を輸送する自衛隊艦船が円滑に接岸、停泊できるようにするとともに、被災者の陸上輸送を迅速に行えるよう、自衛隊の活動を主目的とした岸壁や道路の整備を可能とする制度的対応が必要と考えますが、政府の御見解をお聞かせ願います。
伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備の取組においては、自衛隊、海上保安庁が、平素から必要な空港、港湾について、民生利用を主としつつ、自衛隊、海上保安庁のニーズも考慮し、安全保障上の重要性も加味しながら、必要な整備や既存事業の促進を図ることとしております。また、平素から円滑な自衛隊の人員、物資輸送等に資するよう、特定利用空港・港湾と自衛隊の駐屯地等とのアクセスの向上に向け、道路ネットワークの整備を図っております。
こうした取組により、空港、港湾の利便性向上や機能強化を図り、自衛隊、海上保安庁の航空機、船舶などによる円滑な利用を可能にすることは、災害対応を含む各種事態の対応を実効的に行うことにつながり、我が国の総合的な防衛体制の強化に資するものであると認識しております。
防衛省といたしましては、平素から訓練等で空港、港湾を利用させていただき、それぞれの空港、港湾の特性に習熟しておくことが重要であると考えております。
議員の御指摘も含め、引き続き、本取組の更なる充実化に向け、関係省庁と連携し、検討を行ってまいります。
西園委員 ありがとうございます。是非、地元の要望も踏まえまして、積極的な活用をお願いいたします。
次に、サーキュラーエコノミーポートについて伺います。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、製鉄分野では、高炉に比べCO2排出量を大幅に削減できる電炉の活用拡大が求められています。その原料となる鉄スクラップの需要は今後更に高まることが見込まれますが、国内では、スクラップを効率的に集荷、保管、輸送するための岸壁やヤードが十分とは言えません。鉄スクラップは大量輸送が基本であり、海上輸送拠点となる港湾機能の強化は不可欠です。
政府として、サーキュラーエコノミーポートの取組の中で、鉄スクラップを取り扱う岸壁、保管ヤードの整備をどのように進めていくのか、伺います。
あわせて、一部の不適正なスクラップヤードでは、油分の流出あるいは火災、有害物質の漏出など、環境汚染への懸念も指摘されております。さらに、経済安全保障の観点からは、重要資源である金属スクラップの不適正な国外流出を防止していくことも重要です。地域住民の安全、安心を確保しながら資源循環を推進するため、サーキュラーエコノミーポートにおける金属スクラップや廃プラスチック等の適正処理や環境管理、さらには資源の適切な国内循環をどのように徹底していくのか、政府の御見解を伺います。
安部政府参考人 お答え申し上げます。
御質問一点目の鉄スクラップについては、石狩湾新港や三河港において、取扱機能の向上のために岸壁やヤードを整備しています。
サーキュラーエコノミーポートについては、現在公募中であり、八月上旬を目途に選定を予定していますが、鉄スクラップなどの貨物需要を踏まえつつ、必要な岸壁やヤードの整備を含め、循環資源の物流システムの構築を推進してまいります。
二点目の金属スクラップや廃プラスチックなどの処理及び管理については、令和七年三月に取りまとめたサーキュラーエコノミーポートの在り方を踏まえ、港湾管理者による不適正ヤードの是正や水際対策など、循環資源の輸送の適正化を促してまいります。
取組を徹底していくためには、関係省庁や港湾管理者との連携が重要であり、それにより適切な港湾利用による循環経済の構築を推進してまいります。
西園委員 御答弁ありがとうございます。今回、廃棄物処理法の改正もされる中でスクラップヤードの規制強化がされる見込みですので、このサーキュラーエコノミーポートも是非それに対応する対応をよろしくお願いいたします。
次に、コンテナターミナルのゲート混雑の解消に向けた取組について伺います。
現在、東京港や横浜港のコンテナターミナルのゲート前では、依然としてトレーラーの渋滞が発生しており、多くのドライバーが長時間の待機を余儀なくされ、一般車両の通行にも支障が出ています。
ゲートの渋滞対策緩和のため、コンテナ搬出入予約システム、CONPASの導入を始め、ゲートオープン時間の前倒しや夜間等の時間拡大、さらには遠隔操作RTGの導入支援による荷役能力の向上など、多岐にわたる取組が進められてきました。実際、東京港で実施されたCONPASの試験運用において、コンテナトレーラーの平均時間が七八・八%減少したという成果も承知をしております。
しかしながら、現場ではいまだ厳しい状況が報告されております。特に、CONPASの運用については、予約枠が少なく、予約の取り合いになっていることに加え、既存ゲートの一部を予約専用に割り当てたことで、かえって予約外のトレーラーの待機時間が長くなっているとの指摘もございます。また、荷主側の都合による特定時間帯への車両集中という根本的な構造問題も残されたままです。
ドライバーの残業時間が規制される中、待機時間削減は待ったなしの課題です。ゲートの混雑緩和に向け、現行のCONPASの予約枠の拡大や、使いやすいシステムへの改善、さらに荷主企業を巻き込んだオフピーク搬出入の本格的な普及拡大が必要と考えますが、政府の御見解をお聞かせ願います。
安部政府参考人 お答え申し上げます。
コンテナターミナルゲート前の渋滞発生の主な要因として、コンテナトレーラーの来場時間が集中し、ゲートの処理能力やターミナルの荷役能力を超えてしまうことが考えられます。
このため、ゲート前の混雑解消のために国土交通省が開発した予約システムであるCONPASの導入を各コンテナターミナルにおいて進めてきたところです。
委員御指摘の点に関しては、今後、横浜港の一部コンテナターミナルにおいて、原則予約の運用により、予約枠を拡大するとともに、ゲート到着前にコンテナ情報を照合することができる機能を実装してゲート手続のトラブルを回避するといった利用者の利便性向上に取り組んでまいります。
また、オフピークのコンテナ搬出入については、昨年度、関東地方整備局において、オンシャーシデポを設け、CONPASを用いて閑散時間帯にコンテナの搬出入を行う現場実証を横浜港で行ったところであり、得られた課題を踏まえ、関係事業者や港湾管理者とも連携して改善に取り組んでまいります。
国土交通省といたしましては、引き続き、我が国コンテナターミナルのゲート前混雑の解消に向けて、関係事業者や港湾管理者等と連携して対応してまいります。
西園委員 ありがとうございます。是非、取組をお願いいたします。
ゲート混雑が原因かどうか分かりませんけれども、本年四月、邦船社を母体とするオーシャンネットワークエクスプレス、通称ONEですが、こちらが日本発着の欧州航路から撤退をしました。これは、我が国港湾の国際競争力の低下を象徴する出来事であり、強い危機感を抱かせるものです。
二〇一一年、国土交通省は、国際戦略港湾政策を打ち出し、コンテナ港湾の選択と集中を進めることでアジア主要港との競争力強化に取り組んできました。しかし、現実には、コンテナ物流の中心は上海や釜山へと移りつつあり、日本の港湾の地位は相対的に低下しています。一度海外主要港へ流れた物流を再び日本に取り戻すことは容易ではなく、我が国の港湾政策は今極めて重大な局面を迎えていると言わざるを得ません。
私は、この状況を打開する鍵は、徹底した港湾の効率化にあると考えます。アジアの主要港では、コンテナターミナルの自動化、デジタル化が急速に進展し、荷役効率の向上や船舶滞在時間の短縮が実現されています。我が国においてもコンテナターミナルの完全自動化を一刻も早く実現すべきです。
特に、日本のガントリークレーンオペレーターは、一時間当たり三十個以上のコンテナを荷役できる世界トップレベルの技能を有しています。この高度な技能をAIや自動制御技術に学習、実装し、ガントリークレーンの完全自動化につなげていくべきです。
さらに、こうした先端技術の導入は、国際戦略港湾のみならず、地域経済を支え、フィーダー輸送を担う国際拠点港湾や重要港湾にも広げていく必要があります。
特に、地方の港湾では港湾労働者の人手不足や高齢化が深刻化しており、ターミナルの運営の効率化は喫緊の課題です。政府も港湾ロジスティクスを戦略十七分野の一つに位置づけていますが、その効率化は日本経済全体の競争力を左右する重要課題です。
コンテナターミナルの自動化、高度化に向けた具体的な取組方針について、政府の御見解をお伺いいたします。
佐々木副大臣 委員御指摘のとおり、コンテナターミナルの効率化、自動化、高度化は、大変重要な課題だと認識をしております。
港湾の競争力強化や労働力不足といった課題に対応するため、国交省では、遠隔操作RTGの導入、コンテナターミナルゲートの高度化に対する支援を行ってきたところでありますが、さらに、今年度には、遠隔操作ガントリークレーンの導入支援制度を創設いたしました。
また、港湾技術開発制度により、コンテナターミナルの更なる生産性向上や労働環境改善に資する技術開発への支援を実施しております。
加えて、港湾手続のデジタル化を進めるため、データプラットフォームであるサイバーポートを運用しております。
その上で、金子大臣を座長とする港湾ロジスティクスワーキンググループにおいて、港湾荷役機械やサイバーポートの官民投資ロードマップや、港湾ロジスティクスの強化に向けて講ずるべき施策について議論を行っているところでもございます。
今後、これらを踏まえ、港湾荷役機械の自動化、遠隔操作化の促進や、サイバーポートの機能改善、普及促進等により、コンテナターミナルの自動化、高度化に全力で取り組んでまいります。
西園委員 佐々木副大臣、力強い御答弁ありがとうございます。港湾ロジスティクスは戦略十七分野の一つですので、是非、港湾への予算の重点配分をよろしくお願いいたします。
本日は、ここにちょっと一冊の本をお持ちいたしました。これは、平成十一年に旧運輸省港湾局が監修した「港湾の施設の技術上の基準・同解説」です。
港湾施設を建設する際に必要となる技術基準と、その具体的な設計手法が示されており、まさに港湾技術者にとっての教科書というべき存在です。この基準・同解説はおおむね十年ごとに改定が行われております。
平成七年に運輸省へ港湾技官として入省した私は、係長時代にこの改定作業に携わる機会をいただきました。当時、検討委員会の委員長を務めておられたのは、防波堤に作用する波圧算定式、いわゆる合田式を確立された合田良実先生でした。港湾工学の世界的権威である合田先生から直接御指導を賜る機会をいただいたことは、私にとって、技術者人生におけるかけがえのない財産でございます。合田先生がこの基準・同解説に自らの人生を懸けていると語られた言葉は、今もなお私の胸に深く刻まれております。
私はその後、二度にわたる基準改定にも携わらせていただき、現在使用されている平成三十年版では、編集小委員長として事務方の取りまとめをさせていただきました。合田先生に胸を張って御報告できる仕事ができたかどうか、自信があるわけではございません。しかし、ただ一つ確信を持って申し上げられるのは、編集作業に関わった全ての皆様がそれぞれの立場でベストを尽くし、我が国の港湾技術の発展のために最大限の努力を重ねてくださったということです。この場をおかりして、関係者の皆様に改めて深く敬意と感謝を申し上げます。
新たに開発され、その有効性や汎用性が確認された技術であっても、基準・同解説に掲載されなければ全国的な普及にはつながりません。そして、その見落としは、結果として我が国の港湾技術の進歩を停滞させることにもなりかねません。だからこそ、将来を見据えながら、今後普及すべき技術を的確に評価し、基準へ反映させていくことが極めて重要であると考えてまいりました。
前回の改定から既に八年が経過しており、現在、次期改定に向けた検討作業が進められているものと承知しています。その意味では、前回改定以降に新たに蓄積、確認された技術的知見については、積極的に基準・同解説へ反映させていくべきと考えます。例えば、しゅんせつ土砂を脱水固化し築堤材として有効活用する技術については、新門司沖土砂処分場において十年以上にわたる実証、検証が重ねられ、実用化可能技術として高く評価されています。
こうした新技術を今後どのように基準・同解説へ位置づけ、普及につなげていくお考えか、政府の御見解をお聞かせ願います。
安部政府参考人 お答え申し上げます。
委員がお持ちの「港湾の施設の技術上の基準・同解説」は、港湾法第五十六条の二の二に規定されている技術基準や関係省令、告示等の解説書であり、その改定はこれまでおおむね十年ごとに大幅に実施、発刊しているほか、必要に応じて一部実施し、こちらについてはホームページで公表してきております。
改定に際しては、国土交通省や各分野の専門家などが参画する委員会において内容を検討しており、委員御指摘の新技術については、港湾の施設の建設、改良等の参考になる技術情報や標準的な検討項目、検討手法を対象としております。
委員御指摘のとおり、本年三月より次の大幅な改定を見据えた検討を開始しておりまして、これまでの改定と同様に、新技術について、技術的知見が確認され普及が必要と認められたものについては、関係者とともに積極的に反映するように取り組んでまいります。
西園委員 ありがとうございます。新しい技術をつくり出すベースとなるのが基準ですので、技術者が意欲を持って研究開発に取り組めるよう、是非基準改定の方、よろしくお願いいたします。
さて、近年、気候変動の影響により、全国各地で河川の氾濫や内水被害が激甚化、頻発化しています。その要因の一つが、河道内に堆積した土砂による流下能力の低下であり、国は地方交付税措置率七〇%の緊急浚渫推進事業債を創設し、地方自治体によるしゅんせつ事業を財政面から支援しております。
しかし、現場では、財政力の弱い自治体ほど必要なしゅんせつが十分に進まず、地域住民の不安が高まっています。特に、中山間地域を抱える自治体では、対象河川やしゅんせつ箇所が広範囲に及ぶ一方、確保できる財源には限界がございます。
また、八潮市の道路陥没事故を契機に、老朽化した下水道インフラの危険性も改めて浮き彫りとなりました。現在、下水道管路の修繕には、同じく地方交付税措置率七〇%の緊急自然災害防止対策事業債が活用されていますが、こちらについても地方負担の重さが課題となっています。
河川のしゅんせつや下水道の老朽化対策は、いずれも住民の生命財産を守るため、極めて重要な事前防災であり、地域の財政力によって安全性に格差が生じるようなことがあってはなりません。そこで、地方自治体がこれらの事業により積極的かつ計画的に取り組めるよう、緊急浚渫推進事業債及び緊急自然災害防止対策事業債の地方交付税措置率について、かさ上げを検討すべきと考えますが、政府の御見解をお聞かせ願います。
橋本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の緊急浚渫推進事業債また緊急自然災害防止対策事業債につきましては、それぞれ、地震、豪雨など自然災害が激甚化、頻発化する中で、財政力の弱い自治体においても、単独事業として実施する緊急的な防災・減災対策に取り組めるよう、事業期間を区切って地方債充当率一〇〇%、元利償還に対する交付税措置率七〇%の特別の措置を講じているところでございます。
既にほかの地方債と比較いたしまして高い措置率となっており、また、実際に各自治体において十分に活用はなされていることから、交付税措置率を引き上げることは考えてはいないところでございますが、引き続き、両事業債の活用が進むよう、総務省といたしましても、活用事例の周知などを含め、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
西園委員 ありがとうございます。
この両事業が特別な措置でつくられたというのは重々理解をしておりますが、やはり現場の自治体ではお金がなくてできないという、大変その声を聞いております。現在、都道府県間の税収格差というのは大変問題となっております。これはもう地方交付税の全体を底上げしていただくしか私は問題の解決にならないと思いますので、是非、総務省におかれましては財政力の弱い自治体を助けていただくようお願い申し上げます。
この地方債を活用した事業がある一方で、道路や港湾などのインフラ整備の多くは国庫補助事業として実施されています。しかし、これらについても地方自治体の負担は依然として大きく、厳しい財政状況の中で大きな課題となっています。
特に、近年は、少子高齢化の進行により地方の働き手が減少する一方で、高齢者介護や社会保障関係費が増大しており、インフラ整備に必要な予算の確保が年々難しくなっています。その結果、老朽化した橋梁の損傷や港湾施設における岸壁エプロンの空洞化、陥没など、重大事故につながりかねないリスクが高まっています。
加えて、南海トラフ地震など巨大災害への備えが急務となる中、道路や港湾は災害時の救援復旧活動を支えるだけでなく、物流機能を維持し、地域経済を下支えする極めて重要な社会基盤です。地方部においてもその機能強化や老朽化対策を着実に進めていかなければなりません。
しかし、人口減少や税収減が進む地域ほど財源確保が難しく、このままでは地域間における社会基盤の格差が更に拡大することも懸念されます。
道路や港湾などのインフラは、地方の産業活動や国民生活を支え、日本経済全体の発展を下支えする重要な役割を担っています。地方自治体が道路、港湾を始めとする必要なインフラ整備を着実に推進できるよう、公共事業における道路、港湾分野等の国庫補助率のかさ上げや、公共事業予算の総額の確保を目指すべきと考えますが、金子大臣の御見解をお聞かせ願います。
金子国務大臣 西園委員には、国交省の役人の時代からレクチャーをしていただいたり、一緒に視察に行ったり、そういう意味では、今質問されている公共事業に対しては、一番、私以上に御存じだというふうに思います。
道路整備あるいは港湾整備については、それぞれ道路法、港湾法において基本となる国庫補助率が定められておりますが、政策上の観点や各地域の重要性、事情を踏まえ、特例として道路財特法、離島振興法や沖縄振興特別措置法等に更に高い国庫補助率が定められており、国庫補助率の在り方については様々な観点からの議論が必要であると考えております。
国民の安全、安心を守る国土強靱化の取組を柱とした危機管理投資や、経済成長を支える道路や港湾等のインフラ整備等を柱とした成長投資による強い経済をつくる上で、公共事業は大変重要な役割を担っており、まさに未来への投資であると考えております。
厳しい財政状況ではありますが、地域の実情にも応じた様々なニーズに的確に対応できるよう、必要十分な公共事業予算が確保されるよう、取り組んでまいりたいと思います。
西園委員 力強い御答弁、ありがとうございます。
過去二十年ぐらい、公共事業予算というのはずっと横ばいですよね。今物価が上がっていますので、そうすると結局、実施できている事業活動というのは減っているということなんですよね。やはりこれは、公共事業予算の総額をしっかり確保していく必要があると思います。私は国交省の応援団ですので、是非、予算の確保に全力で取り組んでいただければと思います。ありがとうございます。
済みません、順番をちょっと変えて、次の住生活リテラシーを向上させる和の住まいについてお伺いいたします。
新たな住生活基本計画では、住生活リテラシーの向上の一環として、和の住まいのよさを再認識することが明記されています。
令和七年十一月十日の予算委員会において金子大臣は、畳の機能性を高く評価され、UR都市機構やハウスメーカーへの需要拡大への働きかけや、シンポジウム等を通じた普及啓発を進める旨御答弁なされました。
和の住まい、とりわけ畳の価値は単なる情緒的、文化的な側面にとどまりません。JIS規格においては、断熱性能を有する畳、JIS A 五九一四や、衝撃緩和性能を有する畳、JIS A 五九一七が規定されており、その機能的価値は科学的、客観的にも裏づけられています。この機能は、我が国が直面する社会課題の解決にも直結します。
厚生労働省の二〇二二年国民生活基礎調査によれば、介護が必要となった主な原因の第三位は骨折、転倒であり、その割合は一三・九%に上っています。
衝撃緩和性能を有する畳を活用した住環境整備は、高齢者の転倒事故防止や健康寿命の延伸に寄与するものと考えます。また、断熱性の高い畳は、災害時に避難所となる体育館等の床環境を改善し、被災者の命と健康を守る上でも有効です。国民の住生活リテラシー向上とは、こうした機能性を国民が正しく理解し、適切に活用できる環境を整えることにほかなりません。
そこで、大臣にお伺いいたします。
さきの御答弁以降、国土交通省としてどのような取組を進め、どのような成果が得られているのでしょうか。また、防災、医療、福祉を所管する関係省庁とも連携し、機能性が実証された和の建材を社会課題解決のツールとして積極的に活用すべきと考えますが、大臣の御見解をお聞かせ願います。
金子国務大臣 国産畳の原料でありますイグサの国内の九五%以上を私の地元で生産をしているということで、畳についてはこれまでも取り組んでまいりました。本当に今日は取り上げていただきまして、ありがとうございます。
我が国の気候、風土、文化に根差した住まいづくりや住まい方である和の住まいの推進は、日本の住文化の再発見や伝統産業の振興、さらには地域の活性化を図るため、重要と考えております。
中でも畳は、和の住まいを象徴するものであり、快適な湿度の調整機能、抗菌、空気の浄化作用、香りによるアロマ効果、あるいは乳児や高齢者の転倒時のけがを防ぐ適度な弾力性を有するなど、様々な効能があると承知をしております。
国土交通省におきましては、関係省庁による連絡会議を設置をいたしまして、畳の活用を始めとする和の住まいに関する工夫や事例、関係省庁の取組などの情報提供や、全国各地におけるシンポジウムの開催等による普及啓発に取り組んでおります。
本年三月に閣議決定されました新たな住生活基本計画では、畳、あるいはふすま、瓦もそうでありますけれども、を始めとする地域の自然素材を活用し、気候、風土、文化に根差した和の住まいの推進や、国民の住生活リテラシー向上に当たって、和の住まいなど伝統的な住文化のよさや技能の継承に向けた担い手育成の必要性を再認識する機会の創出が必要であることなどをしっかりと位置づけたところでございます。
今後も、来年三月から開催される横浜グリーンエクスポにおいて和の住まいに関する幅広い情報を発信するなど、関係省庁と連携し、あらゆる機会を捉えて、イグサや国産の畳の振興にも資する和の住まいの推進にしっかりと取り組んでまいります。
西園委員 ありがとうございます。
今、インバウンド需要が大変増えてきているということでございますし、是非、イグサの畳、このよさを海外の方たちにも紹介いただける、観光庁がまさに国交省所管ということでございますので、是非その分野も取り組んでいただければというふうに思います。
ちょっと最後、質問が多分できない、時間があれですので、要望だけさせていただきますが、昨日から大雨とか洪水に関する防災気象情報が運用開始されましたが、まだ現場では非常に混乱が生じています。特に、同じ警戒レベル、河川でも、大河川では氾濫特別警報、小河川では大雨特別警報という、この違いがやはり分かりづらいというのがございます。是非、国交省としましても、住民に分かりやすい説明をお願いできればと思います。
これは要望とさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
本日はありがとうございました。
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