衆議院予算委員会で埼玉県八潮市の道路陥没事故について質問
2025.02.20 21:53(11か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
本日、衆議院予算委員会で質問させていただきました。
土木工学を学び、国土交通省で港湾の建設基準改訂の事務方責任者を務めた1人の土木技術者として、日本の老朽化したインフラに危機感を持っております。
埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けた下水道管の点検の見直しの提案や、自治体に対する国の支援拡充、次期国土強靭化実施中期計画にインフラ老朽化対策をどう反映させるのか質問し、予算規模は20兆円でも足りないと訴えました。
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議事録
第217回国会 衆議院 予算委員会 第13号 令和7年2月20日
西園委員 公明党の西園勝秀です。
昨年の選挙で初当選し、初めての予算委員会での質問となります。お時間を頂戴し、感謝申し上げます。
私は、学生時代に土木工学を専攻し、国土交通省へ入省してから様々な仕事に携わらせていただく中、港湾の建設基準の改定の際には、学識の先生方や技術者の皆様の御助力を頂戴しながら、事務方の責任者としてその編さんをさせていただきました。
一人の土木技術者として現在の日本のインフラについて強い危機感を持ち続けてまいりましたので、本日はその観点からの質問を幾つかさせていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
一点目にお伺いしたいのは、先日、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故についてです。
まず冒頭、運転手の方の一日も早い救出を心からお祈り申し上げます。また、現場で救出や復旧に当たってくださっている全ての皆様、埼玉県、八潮市、そして国土交通省を始めとする関係の皆様の大変な御尽力に対し、深く敬意を表します。
この事故は下水道管の中で発生した硫化水素による下水道管の腐食が主な原因と見られています。
下水道法施行令第五条の八第四項では「下水の貯留等により腐食するおそれのある部分にあつては、ステンレス鋼その他の腐食しにくい材料で造り、又は腐食を防止する措置が講ぜられていること。」とされています。
国土交通省に伺います。八潮市で破損した下水道管はこの基準に沿って造られていたのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
松原政府参考人 お答えいたします。
下水道法施行令第五条の八につきましては、排水施設及び処理施設に共通する構造の基準を定めているものであり、地方公共団体はこれを参酌して、条例で基準を定めることとなっております。
この構造基準は平成十六年四月に定められたものであり、一方、八潮市の道路陥没箇所における下水道管路は昭和五十八年に整備されたものであることから、当該構造基準は適用されていないというものでございます。
西園委員 ありがとうございます。
今、大変重要な指摘がございました。現行の構造基準が施行されたのは平成十六年四月で、事故が起きた八潮市の下水道管が整備されたのはそれよりも以前であることから、現行基準の規定は適用されていないということですね。例えるなら、建築基準法違反とはならない旧耐震基準で造られた住宅と同じ状況にあるということかと思います。
では、旧基準で造られた下水道管路の延長は全国でどれくらいあるのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
松原政府参考人 お答えいたします。
令和四年度末時点で、全国の下水道管路の総延長は約四十九万キロございます。このうち、委員御指摘の構造基準が施行される前、すなわち平成十六年三月までに整備された管路の延長は約三十八万キロであり、この割合は全体の約七六%に当たります。
なお、これらの管路につきましても、構造基準の施行後に改築工事に着手したものにつきましては、構造基準が適用されることになります。
西園委員 ありがとうございます。これだけの下水道が旧基準で造られ、破損する危険性が高い地域が多くあるということですね。点検の優先度が高いのは、この旧基準で造られた下水道であるのは間違いないと思います。
また、今回八潮市で道路陥没が起きた場所は砂が多い地盤とされています。一般的に、砂地盤で地下水位が高い箇所は、液状化のリスクが高く、土砂の流動性が高い地域とされています。
明日、国土交通省で、大規模な下水道の点検手法の見直しなどについて有識者を交えた検討会が行われると伺っております。大規模災害を防ぐためにはそちらが優先であることは間違いございませんが、先ほど御答弁いただきました旧基準の三十八万キロでしたかね、その下水道管の点検方法についてもしっかりと御検討いただきたいと思います。
また、その際には、液状化ハザードマップで危険度の高い地域をまずは御確認いただき、優先的に点検を行っていただければと御提案を申し上げます。
また、下水道の点検は五年に一回以上とされていますが、今回の八潮市のケースでは、令和三年に検査をしたときには補修が必要とは判断されず、検査をクリアしております。
しかし、検査後三年で今回の事故が発生しました。もし三年目で検査を行っていれば、破損を見つけられたかもしれません。今後更に老朽化が進展すれば、下水道管の強度は加速度的に劣化します。
それらの意味で、再発防止の観点から、特に旧基準で造られた下水道管については、五年に一回以上の検査の頻度ではなく、例えば三年に一回以上など、検査の頻度や内容を見直す必要があるのではないかと私は考えます。
これらの点について、国土交通省の御見解をお聞かせ願います。
松原政府参考人 お答えをいたします。
下水道法に基づく維持修繕基準でございますが、全ての施設において、構造や流入する下水の量などを勘案して、適切な時期に、適切な方法により行うこととしております。このうち、下水の流路の高低差が著しい箇所など、腐食のおそれの大きい箇所については、五年に一回以上の頻度で点検することとしております。
国土交通省といたしましては、今回の事故が起こったことを重く受け止めまして、このような事態が再び起きないよう、今後、重点的に点検を行う対象や頻度など、大規模な下水道の点検手法の見直しを始め、施設管理の在り方などについて、委員が先ほど御指摘いただきました有識者委員会、明日開催いたしますが、この委員会で議論をすることとしておりまして、その議論や、議員が今御提案いただいたような内容も含めまして、必要な対応をしっかり検討、実施してまいります。
西園委員 前向きな御答弁ありがとうございます。検討会で有意義な議論が行われ、最適な点検方法が見出されることを切に望みます。
次に、自治体が行う下水道整備に対する国の予算補助について伺います。
下水道の管理は各自治体が行っており、主要な管渠については設置又は改築に要する費用の半分を国が補助し、半分は自治体が負担しております。
しかし、各自治体はその予算の確保に苦労しているのが実態です。私の地元は静岡県ですが、浜松市からも国の財政支援を強く求める要望をいただいております。また、自治体は技術系職員の不足にも直面し、インフラの老朽化対策が後回しとなっているケースがほとんどです。このような現状がある限り、個々の自治体任せでは十分な老朽化対策は難しいと思われます。
その上で、国土交通省にお伺いいたします。自治体が行う下水道整備に対する国の財政的支援、技術的支援はどうなっているのでしょうか。現在の取組状況と今後の方針についてお聞かせください。
松原政府参考人 お答えいたします。
下水道施設を適切に維持管理、更新していくことは大変重要であり、国土交通省では、予防保全型の施設管理を推進するためのガイドラインの策定や、点検、調査などの施設管理に関する技術開発など技術的支援に取り組むとともに、維持管理のうち、施設の点検や調査、その点検、調査結果に基づく計画的な改築更新などの重要な対策につきまして財政的な支援を行っております。
また、人口減少により職員や料金収入が減少する中、下水道事業を持続可能なものとするためには、広域連携や官民連携など事業運営の基盤強化に加えまして、分散型システムの活用、リダンダンシーの確保など、地域の特性に応じた適切な施設管理が重要であり、これらの取組を推進するためのガイドラインを策定するなどの技術的支援を行ってきたところでございます。
さらに、施設管理、老朽化対策を高度化、効率化していくためにDX技術の活用も重要でございます。このため、地方公共団体向けの分かりやすいDX技術カタログを今年度中に取りまとめるなど、DX技術の速やかな実装に向けて取組を進めることとしております。
国土交通省においては、引き続き、今回の道路陥没事故を踏まえつつ、必要な技術的、財政的支援を行い、強靱で持続可能な下水道システムの構築に取り組んでまいります。
西園委員 ありがとうございます。
ただいま御答弁くださったように、財政難や技術者不足に悩む自治体にどうぞお力をおかしください。よろしくお願い申し上げます。
次に、次期国土強靱化中期計画について伺います。
埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は日本全国に大きな衝撃を与えましたが、これは老朽化インフラがもたらす事故の氷山の一角にすぎません。被害者が出なかったため大きなニュースにはなりませんでしたが、一歩間違えれば人命に関わる大事故となる事例が全国で多発しています。
私は、国土交通省に二十八年四か月勤務する中、全国各地でこうした事例をたくさん見てきました。
お手元の資料を御覧ください。これは鹿児島港の岸壁付近で起きた陥没事故の写真です。長さ十五メートル、幅十メートル、深さ三メートルにわたり地面が陥没しています。これは、矢板岸壁が腐食し、穴が空いたことで内部の土砂が海へ流出し、空洞化した結果、陥没が発生したものです。原因は老朽化です。幸いこの事故では人的被害はありませんでしたが、もし貨物船の荷役作業中に発生していたら、人命に関わる大事故となっていたでしょう。
日本のインフラは、高度経済成長期に集中的に整備され、多くが耐用年数を迎えています。二〇一二年の笹子トンネル崩落事故は老朽化が引き金となった典型例です。地方自治体も危険性を認識しつつ、予算不足で対策をしたくてもできない状況にあります。現在の予算配分では全国で大事故が頻発するおそれがあると私は大変危惧しております。
今我が国は、抜本的な国土強靱化が不可欠です。国土の強靱化は、ハード面だけではなくソフト面も重要です。二〇二三年に名古屋港がサイバー攻撃を受け、三日間機能が停止し、多大な経済損失が発生しました。サイバーセキュリティーの強化も急務です。
石破総理大臣は所信表明演説で、国土強靱化中期計画に関し、おおむね十五兆円程度の現在の五か年加速化対策を上回る水準が適切と御答弁されました。しかしその後、八潮市の道路陥没事故が起き、下水道の老朽化対策が喫緊の課題とされたところです。私は次期五か年の中期計画の予算規模は二十兆円でも足りないと考えております。
中野国土交通大臣と加藤財務大臣のお二人にお伺いいたします。
下水道を含むインフラの老朽化対策を次期中期計画にどのように反映させるのか、ソフト施策はどうするのか、それらの予算規模はどの程度か、御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
中野国務大臣 西園委員にお答え申し上げます。
専門的な御知見で、様々重要な御指摘をいただきました。ありがとうございます。
国土強靱化実施中期計画、先日策定方針が決定されたところでございまして、その中では、下水道の老朽化対策について埼玉県八潮市での道路陥没事故も踏まえて検討することが位置づけられたなど、インフラ老朽化への対応に取り組むということとされております。
また、御指摘のソフトの対策につきましても、ドローンやロボットなどデジタル技術をフル活用し、ハード、ソフト対策を一体的に推進をしていくということが重要であると考えております。
先ほど来お話に出ておりました、あした、対策検討委員会というものが第一回が開催されますので、この議論も十分に踏まえまして、下水道を含めたインフラ老朽化対策に必要な対策を実施中期計画に盛り込むという、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
予算規模につきましては、ちょっと現段階ではなかなかお答えするのは難しいんですけれども、施策の評価、資材価格の高騰等を勘案し、おおむね十五兆円程度の事業規模で実施中の現在の五か年加速化対策を上回る水準が適切との考えに立ち、関係省庁と連絡しながら、本年六月を目途に策定できるよう取り組んでまいります。
加藤国務大臣 今までお話しいただいたように、老朽化が進んでいく、他方で、近年、地震、大雨などの自然災害も頻発化、激甚化をしております。国民の生命と財産を守り抜くため、防災・減災、国土強靱化、この取組を進めることは国の重大な責務と認識をしております。
先般の法改正を受けて国土強靱化実施中期計画を定めることになっておりますが、令和八年度からの実施中期計画については、総理の施政方針演説で、委員御指摘のように、施策の評価や資材価格の高騰などを勘案し、おおむね十五兆円程度の事業規模で実施中の五か年加速化対策を上回る水準が適切との考え方が示されたところでございます。
現在、国土強靱化推進会議において、本年六月をめどとして、実施中期計画の策定に向け議論が行われていると承知しております。
引き続き、必要な施策を実施するための予算をしっかり確保できるよう、財務省としても検討してまいりたいと考えています。
安住委員長 西園君、時間が参りました。
西園委員 中野大臣、加藤大臣、大変ありがとうございます。
六月に中期計画をまとめられるということでございます。その際には、二十兆円というお言葉を聞けることを切に望みます。
答弁を、終わらせていただきます、大変ありがとうございました。
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