西園勝秀 中道改革連合・衆議院議員(比例東海ブロック) 中道改革連合

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衆議院国土交通委員会で港湾法に対する想いを述べさせていただきました

2025.04.05 06:42(1年前) 国会質問活動報告 |西園勝秀

衆議院国土交通委員会で質問に立ちました。

【内容】
港湾法の改正について

本編はこちらをご覧ください。

議事録

第217回国会 衆議院 国土交通委員会 第6号 令和7年4月4日

西園委員 公明党の西園勝秀です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
私は、国土交通省に港湾技官として二十八年四か月務めてまいりました。港湾法は、私自身、事務方としてその改正作業に何度か携わってきたことから、大変思い入れのある法律です。本日は、その港湾法改正の質問に立たせていただく貴重な機会ですので、有意義な議論が行えればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、協働防護について質問させていただきます。
東日本大震災では、宮城県気仙沼港の石油タンクが津波によって流され、大規模な火災が発生しました。全国各地の港に設置されている石油タンクは主に民間企業が所有しており、それを保護する護岸も同時に民間が管理するケースが一般的です。近年、地球温暖化の影響による海面上昇に伴い、津波や台風時の高波が護岸を越え石油タンクに直撃するリスクが高まっています。そのため、官民が連携し、協働防護の考え方の下で計画を策定し、護岸のかさ上げを進めることは本法律案の重要な意義の一つです。
また、海面上昇への対策としては、護岸のかさ上げだけでなく、コンテナの流出を防ぐ防護柵の設置も検討すべきです。
二〇一八年の台風二十一号では、大阪港、神戸港において一九六一年の第二室戸台風を超える過去最高の潮位が観測され、最大瞬間風速は毎秒四十メートル以上に達しました。その結果、両港で六十個以上のコンテナが漂流する事態となりました。
私の地元静岡を代表する清水港でも多数のコンテナがヤードに保管されており、万が一津波や高波によってコンテナが流出した場合、背後の住宅地に大変な被害が及ぶことを危惧されております。
これは全国的な課題だと思いますが、今般新たに講じる協働防護により、内陸へのコンテナの流出などを防止する取組は進むのでしょうか。政府の御見解をお聞かせください。

稲田政府参考人 協働防護でございますが、これは、気候変動に適応した防護水準の確保を促すことで、港湾における災害を未然に防ぎ、物流機能や産業機能を維持するとともに、港湾近傍に立地する企業群の資産防護、すなわち港湾背後地の防護に資する施策でございます。
委員御指摘の内陸へのコンテナの流出防止も、これは重要な観点だと考えておりまして、具体的な取組としましては、胸壁の設置や電源設備のかさ上げ、流出防止柵の設置や貨物の固縛などなど、様々な対策が想定されるところであります。
清水港を始めコンテナターミナルを抱える港湾におきまして、これらの対策を含めた協働防護の取組が進められれば、内陸へのコンテナの流出防止も図られるものだというふうに考えてございます。

西園委員 御説明ありがとうございます。
これからの時代のキーワードは、官民が連携して取り組む協働防護だと思います。政府におかれましては、各港における協働防護計画の策定と最適化事業の着実な実施をお願いいたします。
次に、港湾のしゅんせつ事業について伺います。
私は、これまで全国各地の港を視察してきましたが、最近特に気になるのが、港湾の海底を掘るしゅんせつが十分に行われていないことです。海流によって海底の土砂が運ばれ蓄積していくため、適宜しゅんせつする必要がありますが、しゅんせつの不足により既定の水深を確保できず、満潮を待たなければ船を出せないようなケースが出ていることです。
しゅんせつ不足は、港を利用する貨物船やフェリー、漁船等、全ての船舶の運航に支障を来す要因となっています。特に小型の船ほど港湾の埋没の影響を受けやすく、潮の満ち引きを考慮しながらの運航を余儀なくされています。これにより、貨物の受渡しに遅延が生じ、漁業の操業時間が制限されるなど、地域経済にも大きな影響を与えています。また、離島と本土を結ぶ航路では、しゅんせつ不足で水深が浅くなるとフェリーの運航に支障を来し、住民の生活や観光業にも悪影響を及ぼしかねません。
港湾の適切な水深を維持するためのしゅんせつは港湾管理者の重要な責務ですが、その多くを担う地方自治体では、財政的な制約から十分な対応が難しくなっています。結果として、必要なしゅんせつが後回しとなり、航行の安全性や物流の効率が低下するという悪循環に陥っています。
一方、河川では、令和二年度から緊急浚渫事業債を活用したしゅんせつが可能となり、一定の効果を上げています。同様の仕組みを港湾にも適用し、国として地方自治体を財政面で支援することが求められています。加えて、技術職員の確保やしゅんせつ計画の効率的な推進にも国の積極的な関与が必要です。
ついては、政府におかれましては、港湾管理者への財政支援を含めたしゅんせつ事業の強化に向けて今後どのように取り組まれていくのか、具体的に教えていただければ幸いです。

稲田政府参考人 お答え申し上げます。
港湾が経済や産業活動、国民生活を支えていく基盤としてこれからもやっていくためには、船舶が安全に航行するための所定の水深を確保することは、これは大変重要なことであります。
委員御指摘のとおり、航路や泊地などの水域施設は、まずは港湾管理者におきまして適切に維持管理いただくことが前提となりますけれども、その上でなお埋没対策が必要な場合におきましては、防災・安全交付金による支援も可能となっております。
そのほか、交付金事業の対象とならないような小規模なものに関しましては、長寿命化対策としてのしゅんせつであれば、公共施設等適正管理推進事業債の対象となってございます。
国交省としましても、こういったいろいろな仕組みを活用いただきながら、引き続き、港湾機能を確保するための港湾管理者の支援、これを行ってまいりたいというふうに思っております。

西園委員 御説明ありがとうございます。
防災・安全交付金、公共施設等適正管理推進事業債のスキームは、港湾管理者にとって大変ありがたいものです。問題はその予算の額ですので、海難事故を起こさせない、また災害時の早期復旧の観点からも、日頃からしっかりとした整備が行えるよう、十分な財政支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。
次に、土砂処分場の問題に移らせていただきます。
昨今の土砂災害の増加を受け、安全な土砂の管理が喫緊の課題となっています。令和三年七月に発生した熱海市の土石流災害を契機として、静岡県では、盛土規制条例が制定されました。この条例により、盛土として受け入れる土砂に有害な重金属が含まれていることを確認された場合、その処理責任を受入れ業者が負うことが明確化されました。
この規制の強化に伴い、静岡県内において、公共工事などで発生する残土の受入先が減少するという課題が生じています。特に内陸部における残土の処分が難しくなっており、その影響が公共工事の円滑な進行にも及びかねません。
さらに、今後想定される南海トラフ巨大地震の発生時には、大量の災害廃棄物が発生することが見込まれます。この災害廃棄物の適切な処理、処分体制を確保することは、迅速な復旧復興を進める上で不可欠です。しかし、現在の状況では、これらの廃棄物を受け入れる処分場の確保が十分に進んでいるとは言えません。
このような状況を踏まえ、持続可能な廃棄物処理体制の構築において、国が主導して海面処分場の整備を進めることが極めて重要であると強く訴えたいと思います。海面処分場の整備は、公共残土の受皿としての役割を果たすのみならず、大規模災害時に発生する災害廃棄物の適正処理にも貢献するものです。大規模災害に備えた廃棄物処理体制の強化並びに公共残土の円滑な処理を可能とするため、国が主導して海面処分場の計画を推進する必要があると考えますが、政府の御見解をお聞かせください。

稲田政府参考人 静岡県内の国際拠点港湾や重要港湾におきまして、現状、港湾計画の中で公共残土等の受入れが可能な海面処分場は、残念ながら位置づけられていない状況でございます。
静岡県内の港湾に限らず、新たに港湾計画に海面処分場を位置づける場合におきましては、自然条件や港湾の利用状況等を考慮して、港の内外から発生する土砂の量を踏まえ、各港湾管理者でしっかり検討されるものだというふうに承知をしております。
委員御指摘のとおり、災害発生土や公共残土等の土砂処分場の確保につきましては、これは重要な課題だというふうに認識をしてございます。国土交通省といたしましても、港内において土砂の受入先を確保する場合には、港湾計画の検討段階から港湾管理者と緊密に連携をして、必要に応じて技術的な支援も行ってまいりたいというふうに考えてございます。

西園委員 御説明ありがとうございます。
港湾計画を改定するには数年かかります。災害はいつ起こるか分かりませんので、発災後の迅速な復旧のためにも、まずは港湾計画に海面処分場の用地を位置づけていただくようお願いいたします。
次に、能登半島地震を踏まえた港湾の防災対策について伺います。
能登半島地震では、海底の隆起で港が使えなくなる事態が発生しました。これまで港の防災対策は、耐震強化岸壁を整備するなど特定の港の耐震性を上げることで物流の機能を維持してきましたが、海底の隆起という事態には対処できていません。
私は、国土交通省の役人時代に港湾の建設の技術基準を策定する委員会の事務方の取りまとめ役を務めてきました。その際の委員長である早稲田大学名誉教授の清宮理先生に、能登半島地震発生後、現行基準ではカバーしていない港の海底の隆起の問題についてお考えを伺いました。清宮先生は、あくまでも御自身の見解ですがと断った上で、個々の港の耐震強化だけでなく、複数の港が連携し、相互にバックアップできる体制を構築する視点が重要だと指摘されました。
私もこのお考えに全く同感です。大規模災害時には、広域的な港湾ネットワークを整備し、被災後の物流機能を維持する体制が不可欠です。そのため、政府が主導し、全国の主要港の役割を明確化し、災害時の緊急物流ルートを確保する必要があります。
こうした観点から、海底の隆起により港が使えなくなる事態を想定し、今後の港湾の防災拠点機能をどのように確保すべきとお考えでしょうか。中野大臣の御見解をお聞かせいただければと存じます。

中野国務大臣 お答え申し上げます。
西園委員におかれましては、様々専門的な御経験から御指摘賜りまして、ありがとうございます。
能登半島地震では、輪島港の地盤が隆起をいたしまして、水深が一・五メートル程度浅くなりましたが、水深七・五メートルの岸壁を水深六メートルとして運用することで、船舶による支援物資の輸送や給水支援に活用されたところであります。
一方で、やはり一定の水深が必要な防衛省のPFI船などの船舶については、耐震強化岸壁を有する七尾港に着岸をし支援活動が行われるなど、能登半島地域の複数の港湾が補完し合うことで、円滑な被災地の支援輸送が行われたところでございます。
まさにリダンダンシーということで、委員からも御指摘ございましたが、この教訓を踏まえまして、災害時には、耐震強化岸壁を核とした防災拠点に加え、その他の利用可能な岸壁も最大限活用した海上支援ネットワークを形成をするということによりまして、被災地の支援機能の確保、こうしたことを図ってまいりたい、このように考えております。

西園委員 中野大臣、御丁寧な説明、ありがとうございます。南海トラフ巨大地震を始め、甚大な災害を想定する中、被災地支援の観点からも港湾のネットワーク構築が極めて重要であると考えます。
最後に一言、港湾法に対する私自身の思いを述べさせていただきます。
港湾法が成立したのは昭和二十五年、GHQの指導の下で戦後の日本の港湾政策の方向性が決定づけられました。ロンドン港やニューヨーク・ニュージャージー港におけるポートオーソリティー制度に倣い、港湾管理者である地方自治体が独立採算で港の運営を行うことが基本とされ、国の関与は著しく制限されました。これは、旧河川法が明治二十九年、旧道路法が大正八年に成立され、国と地方自治体による公物管理の在り方が確立していた河川、道路と大きく異なるところです。
高度経済成長期には、港湾で大型船舶を受け入れる大水深岸壁が必要になってきました。その建設には高度な技術力が必要であることから、国が整備を行い、工事完成後に港湾管理者が管理をするやり方が取られてきました。施設の維持管理は、本来、設計、施工を行った者が行うのが合理的ですが、そのような時代背景から、国が整備した岸壁については自治体の港湾管理者に維持管理が任されています。
しかし、この制度では、いざ岸壁の不具合があった場合にも、技術者が不足する自治体は改修工事を国に依頼して行わなければならず、不合理です。能登半島地震後の復興においても、自治体から国への権限代行の手続に時間を要しました。災害現場で人命救助や緊急物資の搬送に一刻を争う状況を考えると、命の道や港は国が責任を持って管理すべきであると考えます。
経済においても、日本の貿易貨物は重量ベースで九九・七%が港で取り扱われています。まさに港が日本経済を支えています。港に関わる全ての皆様が安心して働ける環境をつくることが日本経済の再生につながっていくと確信いたします。

井上委員長 既に時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

西園委員 港の元気は日本の元気です。日本の元気を取り戻すため、私自身、港湾の専門家としてできる限り汗をかいていく決意です。
以上のことを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。

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