クマ被害を防ぐ科学的な個体数管理等について質問
2026.07.14 20:07(1か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
7月14日の衆議院環境委員会において、「クマ被害を防ぐ科学的な個体数管理」等について質問しました。
議事録
第221回国会 衆議院 環境委員会 第14号 令和8年7月14日
西園委員 中道改革連合の西園勝秀です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
先日、環境委員会で、大阪府堺市にある、現在国内で唯一稼働している国産SAFの製造施設を視察してまいりました。現場の皆様の熱意と高い技術力に感銘を受ける一方、二〇三〇年の政府目標の達成には、なお大きな課題があることを実感をいたしました。
この施設のSAF生産量は、年間約三万キロリットルです。一方、本邦エアラインの年間の航空燃料使用量は約一千万キロリットルに上り、政府は二〇三〇年までにその一〇%をSAFへ置き換える目標を掲げています。その実現には、国産SAFの生産能力の拡大を一層加速させる必要があります。
政府は、今後、新たな製造施設を順次稼働させ、年間約百十三万キロリットルの国産SAFの生産体制を整備する計画で、このうち廃食油を原料とする生産量は年間約六十八万キロリットルを見込んでおります。しかし、製造能力を拡大しても、原料となる廃食油を安定的に確保できなければ、その能力を十分に生かすことはできません。
現在、国内で発生する廃食油は業界団体によれば年間約五十万トンとされ、これは政府と業界団体と単位が違いますのでこのまま読ませていただきます、そのうち約四十万トンが飲食店などから排出される事業系、十万トンが家庭から排出される家庭系です。
ここには大きく二つの課題があります。一つは、家庭から排出される約十万トンのうち、九割以上が回収、再利用されず廃棄されているということです。もう一つは、事業系として回収された品質の高い廃食油のうち、年間約十二万から十三万トンが高値で買い取る海外事業者へ輸出されていることです。
本来、国産SAFの原料となる貴重な資源が、国内では十分に活用されないまま、廃棄されたり、海外へ流出したりしているのが現状です。このままでは、新たな製造施設が整備されても、原料不足によって十分に稼働できない事態も懸念されます。
これは単なるリサイクルの問題ではなく、エネルギー安全保障や資源循環、さらには脱炭素社会の実現に関わる重要な課題です。
二〇三〇年までに航空燃料の一〇%をSAFへ転換するという政府目標を着実に達成するため、原料の安定確保を含め、今後どのような戦略で取り組んでいくお考えか、石原環境大臣の御見解をお伺いいたします。
石原国務大臣 お答え申し上げます。
国産SAFの導入促進は、脱炭素のみならず、エネルギー安全保障や資源循環、国内での新規投資による経済成長に資する観点等から重要であるというふうに考えています。
我が国では、二〇三〇年時点で、委員が言われたとおり、日本のエアラインが使用する燃料の一〇%をSAFに置き換える目標が設定をされています。
取組の加速化のために官民の協議会が設置されて、国際競争力のある国産SAFの開発、製造の推進、サプライチェーンの構築に必要な取組が検討されているところであります。
昨年十二月に協議会のタスクフォースにおいて基本方針が策定されて、この中で、競争力のある安定的な供給体制に向けた取組として、国内で活用が進んでいない国産原料の回収拡大を講じること等が盛り込まれているところであります。
環境省も協議会に参画するとともに、環境省としては、廃食用油の回収に関する実証事業の取組や自治体への技術的な助言など、廃棄物に由来する原料の確保に取り組んでいるところであります。
引き続き、関係省庁や事業者と連携しながら、目標達成に向けて更なる国産SAFの供給、利用拡大に必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
廃食用油だけではなくて、生物性の原料みたいなこともいろいろと検討されているようなので、そういうものと併せて目標を目指していければというふうに考えています。
西園委員 大臣、御答弁ありがとうございます。まさに今、安定、協議会の中での取組、廃食油の回収というお話がございました。しっかりこれはやっていただきたいというふうに思います。
それと同時に、やはり廃食油の海外への流出、これを止めていくということも極めて重要なテーマだと思います。
先ほども申し上げましたとおり、日本で回収された良質な廃食油は、年間約十二から十三万トンが海外へ輸出されているということでございます。沖縄地区税関によれば、その輸出量は過去最高を記録し、多くが韓国のバイオ燃料工場に向けられております。我が国の貴重な資源が海外へ流出している現状は看過できない問題です。
さらに、昨今の中東情勢の不安定化により、石油由来のナフサの供給不安や価格高騰も懸念されております。ナフサは、プラスチックや包装材、農業用資材など幅広い製品の原料ですが、廃食油からSAFを製造する過程では、副産物としてバイオナフサも生産されます。つまり、廃食油の海外流出は、国内燃料だけでなく、化学産業の原料を国内で確保する機会も失ってしまうということになります。こうした状況を踏まえれば、国内で発生した資源は国内で有効活用すべきだという声が高まるのも当然でございます。
一方で、WTOが掲げる自由貿易の基本原則を踏まえれば、一律の輸出禁止には慎重であるべきです。また、回収事業者からは、輸出を止めれば国内価格が下落し、回収事業や長年築いてきた回収網の維持が困難になるとの懸念も示されております。
そこで重要なのは、輸出規制ではなく、国内のSAFメーカーが海外事業者に買い負けない環境を整えることです。そのためには、重要鉱物やレアメタルと同様、廃食油についても、資源安全保障の観点から国内循環を促す戦略が必要と考えますが、政府の御見解をお聞かせ願います。
角倉政府参考人 お答え申し上げます。
更なるSAFの導入、国内での資源循環の促進に向けましては、昨年十二月、官民協議会のタスクフォースにおいて基本方針が策定されており、民間事業者の国際競争力向上に資する規制、支援の一体的な政策を講じることが重要であるとされたところでございます。
この基本方針を踏まえ、国産SAFの導入拡大やコスト低減に向けては、官民協議会において、航空燃料供給事業者へのSAF供給の義務づけやSAFを利用する航空会社へのインセンティブの導入などを含めて取り組んでいくこととされているところでございます。
また、特に廃食用油に関しましては、廃食用油等からSAFを製造する大型プロジェクト二件の立ち上げに向けた検討が現在進められているところであると承知しており、今後、国内の廃食用油の需要の高まりが想定されるところでございます。
こうした状況も踏まえまして、環境省におきましても、令和七年度に、廃食用油も含めた様々な循環資源の国内循環の現状や課題、ニーズの調査を実施し、有識者による御検討をいただいたところです。
この検討の結果、国内循環を促進するためには、費用対効果の高いサプライチェーンの構築が重要であり、回収規模の拡大や物流最適化等の効率性向上に向けた対策、国内循環を促すインセンティブ創出に係る検討が必要であるとの御提言をいただいたところです。
こうした施策、御提言も踏まえつつ、引き続き、官民協議会の場等を活用し、関係省庁や事業者、自治体等とも連携をし、必要な取組を検討してまいりたいと考えております。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
まさに今おっしゃられた費用対効果の高いサプライチェーンの構築、やはりこれが私も鍵だというふうに思います。
そして、家庭から排出される年間約十万トン、この廃食油の回収についても大変重要かと思います。この点についてもちょっとお伺いさせていただこうと思います。
現在、家庭から出る廃食油の九割以上が廃棄されております。全国で回収を進めるには、住民の継続的な協力を得ること、収集運搬コストの削減という二つの課題を克服する必要がございます。
本日は、それらの課題を克服している神奈川県藤沢市の取組を御紹介します。藤沢市では、廃食油を週一回の戸別収集により回収しています。住民が回収拠点まで持ち運ぶ必要がないため、負担が大幅に軽減され、高い回収率を実現しています。さらに、家庭から排出される廃食油を一般廃棄物として市が一括回収することで、まとまった量を確保し、有価物として売却できる仕組みを構築しております。その仕組みを活用し、民間企業と協定を締結し、回収した廃食油を大阪のSAF製造工場へ供給しているということでございます。
藤沢市のように、住民負担の軽減と官民連携による広域的な資源循環を両立する先進的な取組を国が積極的に支援するとともに、全国の自治体へ横展開すべきと考えますが、政府の御見解をお伺いいたします。
角倉政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま御指摘いただきましたとおり、廃食用油の回収を促進するためには、住民の皆様の負担を軽減した形で取組を進めていくことが重要であると私どもとしても考えております。
こうした考えの下、環境省におきましては、各自治体における廃食用油の円滑な回収に資するよう、一般廃棄物の標準的な分別収集区分を示しました一般廃棄物処理システム指針を令和七年三月に改定いたしまして、廃食用油を標準的な分別収集区分の一つとして位置づけさせていただいたところでございます。また、令和七年度より、市町村による廃食用油の分別収集に要する経費については、特別交付税措置が講じられているところでございます。
さらに、廃棄物由来のSAF原料の拡大に取り組む民間企業に対し、モデル事業や設備導入補助により支援などを行っているところでございます。
環境省といたしましては、優良な事例を事例集として取りまとめ、横展開を図るとともに、必要な財政支援を行うことにより、引き続き廃食用油の回収や再資源化を推進してまいりたいと考えております。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
やはり、国の支援が自治体や民間企業の取組を後押しすることになりますので、是非よろしくお願いいたします。
次に、熊対策についてお伺いをいたします。
本年四月以降、熊の被害が多発しております。これまでに六人が犠牲になり、緊急銃猟の発砲にまで至った事例は十九件ございます。栃木県宇都宮市、東京都八王子市、さらには日本三景で有名な天橋立にも熊が出没し、今やどこに熊が出てもおかしくない状況です。
熊の発見には、ドローンを使った空中からの熱源探索が有効です。
昨年十一月二十八日、国土交通省は、航空法上の運用を見直し、人口集中地区上空でのドローンによる熊探索を可能としました。この内容が自治体に周知されたことで、ドローンを活用した熊探索は全国に広がりつつあります。
しかし、六月八日に宇都宮市で熊が出没した際には、ドローンのジオフェンス機能、いわゆる安全装置が作動し飛行させることができず、人口集中地区における上空からの探索が行えませんでした。今後も、全国各地で同様の事例が発生する可能性があります。
市販のドローンには、飛行禁止空域での飛行を制限するジオフェンス機能が搭載されている機種があります。そのため、人口集中地区などで熊を探索する際には、ジオフェンス機能を解除できる機体を使用する必要があります。
こうした運用方法について、全国の自治体に改めて周知すべきと考えますが、政府の御見解をお聞かせください。
また、空港周辺で熊探索のためにドローンを活用する際には、自衛隊機を含む航空機との接触事故を防止することが大変重要です。そのためには、管制官と十分に連携し、有人機の安全を確保しながら、上空から熊を探索できるドローンの運用体制を構築する必要があると考えますが、現在、その体制状況はどのような状況なのか、教えてください。
堀上政府参考人 お答えいたします。
熊対策におけるドローンの活用は、熊の出没状況の把握、それから安全な追い払い、そういった観点から有効な取組の一つであると認識をしております。
委員御指摘いただきました事例を含めまして、熊対策に関するドローンの活用においての課題、あるいは優良事例、そういったものを把握したときには、関係省庁と連携をしながら自治体の熊対策部局に周知を図っていきたいと思っておりまして、環境省として、効果的な熊対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
石井政府参考人 お答えいたします。
航空機の航行の安全を確保する観点から、空港等周辺や百五十メートル以上の空域でドローンを飛行させる場合には、航空法に基づき許可を受ける必要があるところ、当該許可の申請時に空港等の管理者や空域を管轄する関係機関との調整等を求めており、こうした措置により、航空機とドローンとの接触等を防止する体制を構築しております。
なお、熊出没時や災害発生時などの場合において、国や地方公共団体又はこれらの者の依頼を受けた者が、獣害を未然に防ぐ観点から、熊の探索や行動範囲を確認したり、人命を捜索するためにドローンを飛行させる場合には、通常、国の許可、承認が必要な飛行であっても、それを不要とする特例を航空法に設けています。
この場合であっても、特例を適用してドローンを飛行させる場合の運用ガイドラインにおいて、空港等周辺や百五十メートル以上の空域でドローンを飛行させる場合には、航空機とドローンとの接触等を防止するため、あらかじめ空港等の管理者や空域を管轄する関係機関と調整することを求めております。
先月の宇都宮飛行場周辺でドローンを飛行させようとした事例においても、運航者が使用する飛行マニュアルに基づき、空港等の管理者や空域を管轄する関係機関と常に連絡を取れる体制が構築されておりました。
国土交通省としましては、引き続き、ドローンの安全な飛行の確保に向けて、関係省庁と連携しつつ、必要な取組を行ってまいります。
西園委員 ありがとうございます。是非、安全なドローンの運航ができるように調整をお願いいたします。
本日、一冊の本をお持ちしました。これは、長野県にお住まいの宮崎学さんが、四十年以上にわたり熊の生態を追い続け、その成果をまとめられた「となりのツキノワグマ」という写真集です。
私は、先日、宮崎さんに直接お話を伺い、実際に熊のわなをかける現場にも御案内をいただきました。
こちらの資料を御覧ください。宮崎さんの横に、木に大きな傷がございます。これは、おりに捕獲された熊に対し、別の熊が威嚇のために暴れて、そして大きな傷をつけたということでございます。この傷、たった一つの情報で、捕獲された熊以外にも別の熊が近くにいるという事実が読み取れるものでございます。また、おりに捕獲された熊は激しく暴れるため、左の写真にあるように、わなを支える、強固に固定させていくという、これがなければ駄目だ、そういう御助言も頂戴しました。
資料の裏面を御覧ください。左側の、「となりのツキノワグマ」の表紙にある熊でございますけれども、両耳にタグがついておるのがお分かりかと思います。これは、二度にわたって人間に捕獲されたんですけれども、そのまま放したという状況で、さらに、その熊が子熊を連れてまた戻ってきた、こういう状況なんですね。宮崎さんによれば、捕獲された熊を放すと、人間は脅威ではないというふうに認識をし、そのことが子熊にも学習して伝わってしまうということをおっしゃっておられました。
また、宮崎さんは、人里に出没する熊が森の餌不足である、出没する原因が餌不足であるという一般的な説は誤りであり、個体数の圧倒的な増加によって生息域からあぶり出された熊が人里に出ている、それが実態だということをおっしゃっておられました。
その根拠となる山の実態について、時間の関係上、ほんの断片にはなりますが、私が宮崎さんから伺ったお話を少しここで御紹介をさせていただこうと思います。
宮崎さんは昭和二十四年のお生まれで、幼少期から里山で育ったこともあり、何の動物が鳴いているのか、図鑑などない時代から、百種類近くの鳥の鳴き声を聞き分けられるほど山の自然に精通した方です。姿が見えなくても、立体的に自然環境が把握できることが今も役立っているとおっしゃっておられます。
子供の頃は、人々の暮らしを支えるエネルギーはまきや炭であり、里山では日常的に木が伐採されていました。そのため、集落から尾根まで見渡せるほど見通しがよく、それが緩衝地帯となり、人間の生活圏と自然動物とのすみ分けができていました。しかし、高度経済成長期に入り、エネルギー源がまきや炭から、電気、ガス、石油へと転換し、人々が山の木を利用しなくなると、かつて見通しがよかった里山はうっそうとした森林へと変化しました。さらに、戦後の植林や林業の人手不足により山林の管理が十分に行われなくなった結果、人と野生動物を隔てていた緩衝地帯が失われました。
森林は豊かになり、野生動物の餌も増え、さらには保護を重視した熊対策により、熊の個体数が増え続けた結果、生息域からあぶれた若い個体や弱い個体が人里へ下りてくるようになったのが現在の状況であると宮崎さんは断言されておられます。
また、熊の食性について興味深いお話を伺いました。
熊はドングリだけを食べているわけではありません。山菜や果実、昆虫、さらには鹿やカモシカの死骸まで食べるなど、その餌は数百種類に及びます。しかも、個体や家系、地域によって食性は異なり、その違いはふんの分析からも確認できるとのことで、御紹介した写真集にも掲載されています。
本来、熊は、鋭い牙を持つ雑食性の大型哺乳類であり、死肉の臭いを嗅ぎつけ、土葬された人の墓を掘り返す習性もあったとのことでした。また、道路にまかれる融雪剤、塩化カルシウムが、塩分を必要とする鹿を道路周辺に誘引し、鹿の個体数が急増、餌の鹿が増えたことで熊が激増する要因になったとの指摘や、空き家のトイレにあるふん尿のミネラル、鉱山跡の人の汗の塩分など、人間の痕跡に動物が集まる現象も、結果として野生動物の行動に影響を与えているともおっしゃっておられました。
こうした知見を踏まえ、宮崎さんは二十年以上前から、地域ごとに適正な個体数を設定し、それを上回る場合は捕獲し、不足する場合は保護するといった適応的管理の必要性を提唱してこられました。
こちらの資料の右側の写真を御覧ください。これは、宮崎さんが撮影した熊の鼻紋の一部です。宮崎さんは、熊の鼻紋が人間の指紋のように個体ごとに異なることに着目し、鼻紋による個体識別の研究を続けておられます。この写真集が出版されたのは二〇一〇年であり、少なくとも十六年以上にわたり、個人で継続的に調査を続けておられます。
昨年十二月五日の環境委員会で、私の質問に対し石原大臣は、自動撮影カメラの画像解析や採取した熊の毛のDNA解析によって個体を識別し、生息数を推計する手法について答弁されました。あれから半年が経過しましたが、熊の個体識別や生息域の把握は現在どの程度進んでいるのでしょうか。
また、宮崎学さんが四十年以上にわたり積み重ねてこられた知見、とりわけ鼻紋による個体識別のような現場発の技術や情報は、今後の熊対策をより効率的かつ効果的に進める上で大変有益であると考えます。こうした民間の知見を積極的に収集、共有し、科学的な熊対策に生かしていくべきと考えますが、石原大臣の御見解をお聞かせ願います。
石原国務大臣 熊対策のロードマップ等をまとめさせていただいて、そして、政府で個体数調査を行うことになりました。
環境省では、六月三十日から、東北地方と新潟県の一部にまたがる六つの地域の個体群を対象として、熊の個体数を推定するための調査を開始したところであります。専門家会合での議論、助言を踏まえて、統一的な手法として、胸の部分の月の輪の模様で判断するカメラトラップ調査により行うこととさせていただきました。
今後、九月下旬頃まで自動撮影カメラを設置し、その後、データを回収し、個体識別等の分析を行い、年度末を目途に速やかに結果を取りまとめる予定であります。
その結果を基に、地域の実情に合った適正な個体数や捕獲の目標を自治体と連携して設定をしてまいりたいというふうに考えています。
委員から御紹介のあった鼻紋による個体識別については、今年度の調査方法を検討する際には専門家から提案はありませんでした。現時点では、鼻紋による熊の個体数調査手法は確立されていないものというふうに環境省としては承知をしています。ただ、その上で、個体数推定の精度を更に向上できるように様々な科学的知見の収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
ツキノワグマの月の模様の調査は私もすごく大事だと思うんですけれども、これはツキノワグマにしか適用できません。つまり、北海道で出ているヒグマにはこれは利かないわけでございますね。やはり私は、その意味でも、この鼻紋を用いた個体識別というのは非常に有効な手段じゃないかと思っておりますので、是非御検討いただければと思います。
最後に、ちょっと時間もありませんが、山岳トイレについて伺わせていただきます。
近年、インバウンド需要の拡大に伴い、国立公園や国定公園を始めとする観光地ではトイレ不足が深刻な課題となっております。観光客が安心して快適に利用できる受入れ環境を整備することは、観光立国を推進する上で極めて重要です。
一方、自然公園や山岳地域には上下水道の整備が難しく、従来型の水洗トイレを設置できない場所が数多くあります。また、し尿が適切に処理されないことによる自然環境への負荷も課題となっております。
そこで注目されるのが、排水を出さず、微生物の働きやろ過装置などによって水を浄化し、循環利用する循環式水洗トイレを始めとした環境配慮型トイレです。こうしたトイレは、観光地や山岳地域での利用に加え、移動式とすることで、平時には地域のイベントなどで仮設トイレとして活用し、災害時には被災地へ迅速に移設することも可能です。
是非、環境省としまして、循環式水洗トイレや移動式トイレの導入、この補助制度や実証事業などの支援を強化していただくとともに、そこで得られた知見を取りまとめ、首都直下地震や南海トラフ地震など巨大災害に活用できるよう全国への普及を積極的に進めるべきと考えますが、大臣の御見解をお聞かせ願います。
石原国務大臣 お答え申し上げます。
自然公園の山岳地域では、一般的に水道等のインフラが十分に整っておりません。その中でも、環境負荷を軽減する必要があります。このため、自然環境に配慮した山岳トイレの整備が重要であります。
自然環境に配慮した山岳トイレには循環式水洗トイレや移動式トイレ等があり、これは災害時にも活用可能なものであるというふうに認識しております。
環境省では、国立公園における直轄の山岳トイレの整備を推進しておりますが、また、自治体や民間の山小屋等による国立・国定公園内の整備に対しては財政支援も行っているところであります。これらにより自然環境に配慮した山岳トイレの普及に取り組んでおるところでありますが、このほかにも、災害時にも活用できる有効な技術等の発信にも実は取り組んでおりまして、引き続きこうした取組もしっかりと進めてまいりたいというふうに思います。
西園委員 終わります。ありがとうございました。
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