西園勝秀 公明党・衆議院議員(比例東海ブロック) 公明党

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衆議院東日本大震災復興・防災・災害対策に関する特別委員会で質疑

2025.05.22 19:23(8か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀

衆議院東日本大震災復興・防災・災害対策に関する特別委員会で、参考人の意見陳述を踏まえた質疑を行いました。

【内容】
・防災庁設置に向けた助言
・超高層ビルの耐震性

【参考人】
①名古屋大学名誉教授
福和 伸夫 君
②関西大学社会安全学部教授
山崎 栄一 君
③常葉大学名誉教授
重川 希志依 君
④東京大学生産技術研究所教授
東京大学社会科学研究所特任教授
加藤 孝明 君

議事録

第217回国会 衆議院 東日本大震災復興・防災・災害対策に関する特別委員会 第10号 令和7年5月22日

西園委員 公明党の西園勝秀です。
福和先生、山崎先生、重川先生、加藤先生、本日は、それぞれの御専門のお立場から大変示唆に富むお話、誠にありがとうございました。
四人の先生方それぞれにお伺いしたいと思います。
防災庁が令和八年度からできるということで、現在、赤澤大臣の下でいろいろな準備が行われているところでございます。
本日、先生方それぞれのお立場でお話をいただきましたが、まさに今、防災庁設置準備室が議論をしているときに、これだけはしっかりやっておいてくれとか、あるいは、令和八年度から防災庁が始まりますので、防災庁ができたらまずこのことをやるべきだという、何かそういう御示唆を御指導いただければというふうに存じます。
それぞれ、福和参考人からよろしくお願いいたします。

福和参考人 福和でございます。
今、防災庁の議論はまさにやっているところで、報告書がそのうち出てくると思いますので余り詳細なことはしゃべりにくいんですけれども、基本的には、先ほど申し上げましたように、日頃起きている災害に対しては、一人も命を失わないように頑張るということをしなくちゃいけない。先ほど来出てきていますように、災害後に対してきちんと対処できる仕組みをつくる、これは可及的速やかにやるべきだと思います。これは、被害をゼロにするというか、死者をゼロにするためのことであります。
一方で、我が国としては、国家存続ということがもう一つ大事であります。そのためには、何としても南海トラフ巨大地震や首都直下地震のような超巨大災害を乗り越える準備をしないといけません。残念ながら、これは今まではきちんと本気の議論ができていなかったと思います。これは今までの施策では成り立たない、抜本的な検討の在り方が必要なので、これを何としてもやらないといけないと思います。
ですから、前者に関しては、今持っている力を最大限発揮する仕組みづくり、今のところ、法理体系もそれから防災施策も余りにもいろいろ散らばり過ぎているから、これがちゃんと効率よく総力が結集できるような形に見直していくということが必要ですし、本当にでかい災害に対して、一体この国が持てる力はどれだけで、それに対してどういうふうにすることで国そのものの存続や社会そのものの存続をするか、ここはまだ分かっていることじゃないので、それを本気で考える。
考えるためには、考えることができる人育てがどうしても必要であります。残念ながら、非常に言いにくいんですが、現状、国にいらっしゃる防災の専門性の高い官僚の方々は非常に少ないです。それは、内閣府防災のようなところを経験されることで徐々にそういう人が育成されていっておりますが、何としても人数が圧倒的に少ないので、いきなり体制を強化するといっても、その中にお呼びできる人がほとんどいないんです。これを地方自治体から持ってくると地方自治体が更に弱っていくということなので、全体としての我が国の防災を支える人育て、ここを徹底的にやらないといけないと思っています。
以上でございます。

山崎参考人 四人もとなると話がかぶってしまうのでちょっと恐縮なんですけれども、防災庁がつくられて、じゃ、何が大事かというと、やはり人が大事でして、専門的知識を持ったエキスパートによる実践というのが求められると思います。ですから、防災担当という肩書の素人がしてもらったら困るわけでして、この辺りの人材の確保とか育成というのは特に取り組んでいただきたいと思います。そういった専門的な知見に基づいて、指示、調整であるとかサポートというものが実施される。
あとは、そういう防災の担い手の育成ということで、例えば自治大学校のような、防災大学校のようなものをつくって育成していくとか、そういった教育システムというもの、担い手を育てるシステムというものの整備も重要じゃないかなと思います。
以上です。

重川参考人 私も、実は人の問題を一番懸念しています。やるべきことというのはもう十分に議論され、間違ったことは何も書かれていないんですが、それの体制。
恐らく、新しい省庁ですから、プロパーの職員はまだゼロですよね。そうすると、各省庁からの出向、今の内閣府防災と同じ形になると思います。これは国だけではなく、都道府県、市町村も、実は、建築職とか土木職のように、防災職で人を採用しているところは、どこかの県で始める、始めたというのは一例ぐらいあるんですが、ありません。つまり、実は昨日まで教育委員会にいて今日から防災課長ですというのが、本当にほとんどなんですね。そうなってくると、防災庁という、今まで以上に大きな権限を、命と財産を守るための権限を与える役所に、今までと同じ、あるいはそれよりももっと弱い専門性の人しか来ないということになると、やはり、せっかく役所をつくっても十分に機能が発揮できない。ということで、そこが一点です。
もう一点は、実は、東日本大震災の後、復興庁という役所がつくられました。時限ですが、もちろんプロパーの人なんかおらず、各省庁から人が出てきたんですね。でも、あのときには、やはり大震災という大事態を前に、復興庁に来られる職員の方皆さん優秀で、しかもやりがいがある。すごく、国家公務員のキャリアでもこんなに一生懸命熱くなるんだと思うぐらい、皆さん本当に一生懸命やられた。今までの中で一番やりがいがあった。
防災庁も、災害が起きると、やはり皆さんスイッチが入るんです。なんですが、災害がない時期の方が実は多いんですね。その時期にどうやってモチベーションを持って働けるか。やはり、そうなってくると、出向元の方を見ちゃうわけですよ、自分の人事に関わる。
ということで、仕組みとしてそこら辺をきちっとしておかないと、何をやるにしても間違ったことはないです、ただ、本当に国の省庁をつくっただけのことはあったという動きができるためには、その人事の体制を抜本的にやはり考える。本気でやるならプロパーの職員をちゃんと雇っていく、育てていく、その中でキャリアアップしていく道がある、これがなければ、箱はできたけれどもになってしまうと思います。

加藤参考人 三点挙げたいと思います。
一つ目が、今、防災に関しては役割分担がかなりきちんとできていますので、ある意味、部分最適はかなりきちんとできるようになっている。ところが、それを組み合わせたら全体最適になっているかというと、なっていない。防災庁は、部分最適を集めて全体最適に持っていくというのが、一つ大きなやるべきことだと思っています。
それから二点目は、やはり時代の変化への対応かなと思っています。
災害救助法の原型は昭和二十二年ですね。災対法も一九六一年。管轄は総理府、国土庁、内閣府、今の体制になったのが二〇〇一年です。過去二十年を振り返ると、やはり時代観が相当変わっている。これからの時代を見据えたときに、どういう形が望ましいのかということを改めて考えるいい機会だというふうに位置づけています。
それから三つ目が、これは新しい組織をつくりますので、何かを変えるわけですね、抜本的に。そうすると、メリットもあるけれどもデメリットもあるので、デメリット、メリットというものをきちんと同定した上で、できる限りメリットは大きくデメリットは小さくしていく、そういった峻別をしていくことが、やはりまずやるべきことかなというふうに思います。
以上です。

西園委員 貴重な御指摘、ありがとうございます。
私も、議員になる前は国土交通省に二十八年勤めて、復興庁にも出向しておりましたので、今の先生方の御指摘、本当によく分かります。内閣府防災もまさに出向者の固まりで二年とかで異動してしまう、そうなるとノウハウが蓄積されず、やはり今、防災のプロフェッショナルということで育っていかないということかと思います。
先ほど防災大学校みたいな話もありましたし、また、キャリアアップの評価制度というんですか、これは大変示唆に富むお話かなと思いますので、今日も恐らく国会中継を防災庁設置準備室は聞かれていると思いますので、是非これは取り組んでいただければなというふうに思います。
もう時間がないので、福和参考人に。
先ほどのプレゼンの中でもお話があったんですけれども、ミャンマーの中部で地震が起きましたということで、これはマグニチュード七・七で、そこから千キロ離れたタイのバンコクで要は建物が倒壊した。これは、いわゆる地震波の周期と建物の固有周期が共振した、そういう現象だということでお話がありました。
東京というのは、まさに埋立地が地盤であって、そこにいわゆる超高層ビルが乱立している状況で、今先生のお話を伺ったら、本当に東京の建物は果たして震度七とかの地震にも耐え得るんだろうかという、すごく不安を持たれている方も多分多いと思うんですけれども、今の基準で果たして大丈夫なんでしょうかという、ちょっと素朴な質問をさせていただければと存じます。

福和参考人 言いにくいんですけれども、私は高層ビルは余り好きじゃありません、私は建築屋ですから。なぜかというと、あくまでも最低基準だからです。建築基準法第一条に明確に、構造に関して最低の基準しか定めないと書いているわけです。
これはなぜかというと、我が国は、最低限の生存権は保障しつつ、一方で財産権は侵してはならない国ですから、民間の人たちが造る建物に関しては、行政が造るインフラとは違って、最低のことしか記述できていないんです。
ゆえに、まずは絶対に安全ということはなくて、元々、一般の建物も超高層の建物も、震度七という揺れに対して安全性を確認しているわけではありません。あくまでも過去の震災の経験の中で現状があるというふうに思ってください。
戸建て住宅の場合は、一般に、きちんと構造計算をしません。それをやってしまうと、大変な設計費がかかります。一方で、膨大な震害経験があります。ですから、たくさんの経験をする中で、どのぐらい壁を入れておけば家が壊れないかということを基準として定めています。ですから、計算はしないけれども、それなりにたくさんの壁を入れていて、その壁を入れている二〇〇〇年以降の建物については、能登でも熊本でもほとんど壊れていないんです。これは災害被害に基づいてちゃんと検証された設計になります。
一方で、ビルに関しては、残念ながら、そんなに震害経験が多くありません。一方で、ビルというのはちゃんと構造計算しています。ちゃんと構造計算するときに、どういう建物を造るかは、それは発注者の意向に沿います。発注者がどういう意識を持っているかです。発注者が何としても安全な建物という価値観を持っている場合には、設計者は本気になって安全な建物を造りますが、発注者が、やはり安い方がいいな、便利な場所がいいな、それから見栄えがいい方がいいぞ、広い建物がいいぞ、設備が整っていた方がいいぞとやると、場合によっては、いわゆるバリューエンジニアリングになります。バリューエンジニアリングの中にバリューが入っていないとすると、安全性は法基準をぎりぎりで満足するというふうに造っている建物も、当然ですがあるわけです。
これは、ある種経済行為として行われているのが民間の建物でありますから、その延長線上で、今の質問に関しては、それぞれの人たちが想像するということが大事であります。これは、安全、危険ということは相対的な問題である。
基本的に、今のほとんどの建物の耐震設計は、建物の揺れがおおむね同じだと思って設計しています。建物の揺れが同じであるということは、揺れやすい建物は小さな揺れで壊れるんです。揺れやすい地盤は強く揺れますから、やはりよく壊れるんです。ですから、被害想定というのは建築設計とは違って、被害想定はそれを忠実にやりますから、残念ながら、軟弱地盤のところのそれなりの高さの建物は、よく壊れるような被害想定になっています。
ですが、一方で、建築設計というのはそういう考え方では行われていないので、ここは国として、我々の国の安全性のレベルはどのぐらいにするべきだろう、特に、軟弱地盤に高い建物がたくさんある東京のようなところの安全性というのはどういうふうに構築していくべきだろうということを考えるべきだと思います。
最後に、超高層ビルだけは、一般の建物と違って、特別な設計方法を使っています。揺れをある程度評価しながら、その揺れに対して応答計算をして計算をしていますから、最も科学技術を入れています。科学技術を入れるときは、科学技術を使う人の価値観によって、コストカット側に持っていくか、安全性向上の側に持っていくか、これは当然ですが左右されますから、そのことも含めて、国民の皆さん、産業界の皆さん全体の防災の意識を高めることが極めて重要で、意識が高くなってくると、まずは安全が大事だよというような建物を増やす方向に行きます。
最後に、建物の基準というのは時々変わりますから、残念ながら、今の基準を満足していない、少し安全性が気になる問題の建物はたくさん残っています。超高層ビルに関してはその問題は長周期地震動であって、昔の超高層ビルは、長周期地震動に関して十分に検討をせずに造られています。
ですから、望ましいのは、過去の長周期地震動を余り考慮せずに造った超高層ビルについて、できれば国で支援をする形で、それの評価を今の技術で行い、それを直すことに対してちゃんと一般の建物と同様に支援をするというような仕組みをつくることで、特に、重要なものがたくさん入っている超高層ビルについては、確実に安全である町をつくる方がいいと思います。
もしも日本の国で一本でも超高層ビルに変なことがあったとしたら、日本の科学技術に対する信頼は失墜いたしますから、ここは是非、高層ビルとか、もう一つは大型の石油タンクですけれども、長周期の揺れによって問題となるのは極めて重要なものばかりですから、ここは何かちゃんと考えてもいいのかもしれません。これは是非国会の方で主導していただければありがたいと思っております。
以上です。

西園委員 ありがとうございます。
長周期地震動の問題、しっかりこれは国が対応すべきだと思います。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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