衆議院国土交通委員会で能登半島地震の被災地視察を受けた質疑
2025.06.17 15:48(7か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
6/17(火)の衆議院国土交通委員会で質問に立ちました。
【内容】
・側方流動後の土地境界再確定
・避難生活で必要な備蓄品調達
・建築基準法、住宅性能評価
本編はこちらをご覧ください。
議事録
第217回国会 衆議院 国土交通委員会 第18号 令和7年6月17日
西園委員 公明党の西園勝秀です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
六月九日、能登を視察させていただきました。
地震で発生した火災により、約五ヘクタールにわたり商店や住宅が消失した輪島朝市通りの周辺において、仮設住宅にお住まいの被災者の皆様が一日も早い復興を待ち望んでいることがよく分かりました。また、豪雨災害が発生した塚田川の周辺では、多くの方が御自宅に戻れない状況であることも分かりました。
被災された全ての皆様が、一日も早く元の生活再建が果たされるよう、政府におかれましては継続的な支援を是非ともよろしくお願いをいたします。
先ほども質疑がございましたが、改めて内灘町の側方流動について質問させていただきます。
今回の液状化被害は、内灘町に限らず、かほく市や金沢市など広範囲に及びました。被害面積は約百八十ヘクタール、被害戸数は約二千八百戸に上り、東日本大震災時に千葉県我孫子市で発生した約十三ヘクタール、二百二十三戸という被害規模を大きく上回りました。被害の範囲と規模の点で極めて深刻な事態であることは明らかです。
こうした中で、被災地の復旧を進めるには、土地の境界が明確であることが不可欠です。震災前に地籍調査を済ませていた土地であっても、今回の災害により現況とのそごが生じており、再度の地籍調査が被災地再建の出発点として求められています。
ただし、地籍の再調査に当たっては、登記上の土地の境界である筆界を変更しなければならない可能性があります。しかし、昭和三十一年十二月二十八日の最高裁判決では、筆界は客観的に定まるものであり、当事者の合意によって変更することはできないとされています。
それでは、筆界を変更するのではなく、現況に合わせて新たに筆界を創設することは可能なのでしょうか。法務省の御見解をお聞かせ願います。
内野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、筆界は、登記された土地の客観的範囲を区画する公法上の境界でございます。基本的に動くことはないものと解されております。
液状化に伴う側方流動が発生をいたしまして、筆界と実際の土地の現況との間にずれが生じた場合においては、実際の土地の現況に合わせて筆界を創設する方法といたしまして、分筆の登記や土地区画整理事業等がございます。
そこで、令和六年能登半島地震の被災自治体においては、まずは、筆界と現況との間にどの程度のずれがあるか、これを把握するため、地籍再調査の実施に向けた準備が進められているものと承知しております。
不動産登記制度を所管する法務省といたしましても、国土交通省や被災自治体等と緊密に連携いたしまして、プロジェクトチームにおける検討にしっかりと協力してまいりたいと考えております。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
今の御答弁は、筆界を新たに創設することができるという認識だと捉えました。
そうしますと、登記上の筆界を新たに創設することにより、従来よりも登記面積が減少する土地が生じた場合、その損失にどう対応するのかが大きな課題となります。その解決方法として土地区画整理事業の活用が考えられますが、その場合、土地の面積が減った方に対してどのような手当てが考えられるのでしょうか。政府の御見解をお聞かせください。
内田政府参考人 お答えいたします。
今回の側方流動により、従前の土地境界と現況のずれが大きい場合に、新たな筆界を創設する手法として、土地区画整理事業を活用することが考えられます。
土地区画整理事業を活用する場合、ずれにより面積の増減があった土地に対しては、従前の土地の財産権に配慮するため、従前と従後で土地の位置や地籍などが地権者間において総合的に均衡するように換地をする方法ですとか、あるいは、地権者間において不均衡が生じた場合には金銭により清算する方法がございます。
国土交通省においては、被災市町ごとに配置した地区担当の本省職員や、法務省、石川県、被災市町から構成されるプロジェクトチームを通じ、被災市町のニーズに応じた土地区画整理事業の活用について、過去の事例や、手続の迅速化、費用の低減方策などの紹介をしているところであり、引き続き一刻も早い被災地の復興に向けて全力で支援を行ってまいります。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
換地や、あるいは金銭による清算も可能だということを聞いて安心をいたしました。
この被災市町、さらには県も含めて、地籍調査等にマンパワーが非常に不足しているのが現状です。被災自治体からは、地籍調査の実施でも六年、土地区画整理事業を実施すれば最短でも七、八年かかる見通しと言われています。
被災自治体へのマンパワー支援について、専門資格者の活用などを含め、国としてどのようなやり方を考えておられるのか、法務省、国土交通省、それぞれのお立場からお答えいただければと思います。
内野政府参考人 お答え申し上げます。
地籍再調査、これを実施する際には、筆界と現況とのずれを測量によって明らかにする必要がございますため、専門的知識が不可欠でございます。委員御指摘のとおり、被災自治体へのマンパワー支援、これは重要な課題であると考えております。
そして、地籍調査等と不動産登記とは密接な関係にございますので、その実施に当たっては、不動産の表示に関する登記の専門家でございます土地家屋調査士の積極的な活用が期待されるところでございます。
土地家屋調査士制度を所管する法務省といたしましても、日本土地家屋調査士会連合会等と緊密に連携いたしまして、被災地の復旧復興に向けて、被災自治体をしっかりと支援してまいりたいと考えております。
小善政府参考人 お答えいたします。
地籍調査事業は、計画策定、土地の現況測量や一筆地調査、地籍図の作成など多くの工程があり、また、その全体の工程管理も必要です。
被災自治体においては、これらの多様かつ多くの業務を担うだけのマンパワーが不足しているとともに、経験やノウハウを持つ職員も少ないとの声を聞いております。
この課題を解決するためには、できるだけ多くの業務を外部に委託することや、地籍調査に豊富な知識経験を有する専門家を派遣することなどが有効であると考えております。
また、今後、土地区画整理事業の事業化に向けては、被災市町ごとに地区担当として配置している国土交通省職員を通じて、きめ細かく指導助言を行っていくことが効果的と考えております。
先月末に設置しましたプロジェクトチームにおいて被災市町ごとの状況や要望をきめ細かくお伺いしながら、支援の具体化を進め、土地境界問題の早期解決に向けて、被災自治体とともにしっかり取り組んでまいります。
西園委員 ありがとうございます。
今、プロジェクトチームの話が出ました。これはスピードが本当に大事でございますので、政府の迅速な支援を何とぞよろしくお願いいたします。
次に、避難生活で必要な備蓄品の調達について伺います。
今回の視察では、いまだに屋根にブルーシートがかけられたままの住宅を見受けました。能登半島地震では、多くの住宅で屋根瓦が損壊し、雨漏りを防ぐためにブルーシートの重要性が改めて認識されました。
また、昨年六月に修正された防災基本計画では、在宅避難者等の支援方策を検討することが自治体の努力義務とされ、屋根の損壊時にはブルーシートを張るなどして、被災者の応急的な住まいを早期に確保することの必要性が示されました。
ブルーシートの設置作業は、全日本瓦工事業連盟に加盟する事業者などの協力により行われますが、その前提となるのは、自治体が必要なブルーシートを事前に確保していることです。
しかし、能登半島地震では、全国から多くの瓦職人が応援に駆けつけてくださったにもかかわらず、肝腎のブルーシートが不足していたために、作業が滞り、屋根の応急修理ができず、在宅避難が困難となる事例が多く生じました。今後の大規模災害に備えては、被災自治体が必要量のブルーシートを迅速に確保、配付できる体制の整備が急務です。
また、能登半島地震では、水道管や浄水場の被災、機能停止により最大約十四万戸が断水する事態となりました。飲料水はもとより、トイレや入浴、避難所の清掃、洗濯、器材の洗浄などに不可欠な生活用水の確保が課題となりました。災害時に生活用水を安定的に確保するためには、平時からタンク、貯水槽、防災井戸等の整備に努め、衛生的な水を継続して供給できる体制を整えておくことも重要です。
さらに、下水道についても、半年以上復旧しなかった地域があり、生活用水の排水処理にも深刻な問題が生じました。下水道が復旧するまでの間は、限られた水を繰り返し使用し、川や地面への排水を抑える工夫が必要です。近年では、合成洗剤に含まれる界面活性剤を一切使用せず酵素の力で汚れを分解する洗浄剤も開発されており、こうした環境に配慮した製品を避難生活において活用することも有効です。
このように、災害時に必要となる生活必需品や食料、ブルーシートなどは各自治体が必要量を備蓄していくことが基本ですが、財政上の制約から十分な備蓄ができていない自治体も少なくありません。そのような場合には、国からのプッシュ型支援が極めて重要となります。とりわけブルーシートや水などの資材については、市中からどれだけ迅速に調達できるかを平時から把握しておく必要がございます。
自治体の備蓄量及び市中からの供給可能量をどのように把握し、必要な物資をいかに迅速かつ的確に被災地へ届けるのか、政府としての具体的な方針をお聞かせ願います。
貫名政府参考人 お答えいたします。
防災基本計画におきましては、大規模災害を想定いたしまして、食料、飲料水、生活必需品等必要な物資を自治体においても備蓄に努めることとなっております。
自治体による物資の備蓄状況を可視化するために、本年四月から運用しております国の新物資システムにおきまして、各地点の拠点における備蓄量を自治体が登録し、発災時にはどこで過不足が生じているか把握できるようにしているところでございます。
また、大規模災害時、自治体の備蓄物資だけでは不足し、被災自治体が支援要請をするいとまがないと認められる場合には、国がプッシュ型支援で物資を被災地に搬送することとしております。この際、市場の調達可能量は各省庁から業界団体等を通じ把握し、より迅速に被災地に届く供給先から届けられるよう、平時から体制を構築しているところでございます。
これに加えまして、市場流通が少なく、発災後すぐの調達が難しい段ボールベッドやパーティション等一部の物資につきましては、内閣府におきましても分散備蓄をいたしまして、市場調達が整うまでの自治体の不足分を補完することとしております。
西園委員 御説明ありがとうございます。
次に、建築基準法や住宅性能評価の在り方についてお伺いいたします。
能登半島地震において、現行の建築基準が適用された二〇〇〇年以降に建てられた住宅の六五・五%、三百九十八棟は全く被害を受けておらず、日本の耐震技術が改めて実証されました。
建物の耐震性を確保するための工夫としては耐震、制震、免震の技術がございますが、これらを建築基準として標準化した方がよいのではないかという意見がございます。しかし、国土交通省の御担当からは、人命を守るための建築物を造る最低限の基準である建築基準法に必要以上の耐震性を義務づけることは難しいと伺いました。
このようなことから、同じ建築基準法で造られていても被害を受ける家と被害を受けない家があるのではないかと考えます。能登半島の地震においてもそのような状況があったのではないかと推察いたします。
耐震等級一は建築基準法レベル、耐震等級二は耐震等級一の一・二五倍の地震力に耐えられるレベル、耐震等級三は耐震等級一の一・五倍の地震力に耐えられるレベルであり、大きな開きがございます。能登半島地震のように短期間に連続して揺れが発生する場合、倒壊のリスクが高まるため耐震等級二や三にグレードアップした方が安全です。安価で耐震性を確保できる技術も開発されてきていることから、二〇〇〇年基準以前の基準で造られた建物が多い地域などでは耐震等級二や三を標準に設定していけるよう、自治体がその流れをリードしていくような努力も必要かと思います。
また、長周期地震動が高層ビルに与える深刻な影響が指摘されたことを受け、建築基準法の見直しも進められていると承知しております。
複雑化、激甚化する自然災害、とりわけ地震災害に備え、人命を守る観点から、今後の建築基準法や住宅性能評価はどうあるべきとお考えか、中野国土交通大臣の御見解をお聞かせいただければと存じます。
中野国務大臣 お答え申し上げます。
建築基準法では、国民の生命財産を守る観点から、最低の基準を定めております。耐震については、震度五強程度の中地震までの地震時に損傷しない、震度六強から七に至るまでの大地震時には損傷しても倒壊しないというのが最低の基準でございます。
現行の耐震基準により建てられた建築物は、震度五程度の地震に対して損傷せず、同程度の地震を再度受けても倒壊に至ることは基本的にはないというふうに考えておりますが、複数回の地震に対する被害を抑えるためには、より高い耐震性能を確保することが当然有効でございますので、住宅性能表示制度を通じまして、消費者がより高い耐震性能の住宅を選択できる環境整備に努めるとともに、住宅金融支援機構のフラット35Sによる支援や長期優良住宅の普及等を通じて、より高い耐震性能の住宅の普及を促進してまいりたいと思います。
長周期地震動につきましては、今、南海トラフ沿いの巨大地震による影響を強く受ける三大都市圏等の地域において、高さ六十メートルを超える超高層建築物等を建築する際に、長周期地震動を用いた構造安全性の検証を求めるなどの対策を講じてきたところでございます。
今、内閣府において、相模トラフ沿いの巨大地震等による長周期地震動について現在検討が進められていると承知をしておりまして、国土交通省としても、その検討結果を踏まえて、更なる対策の必要性も含め、しっかり検討を行ってまいりたいと考えております。
西園委員 ありがとうございます。
以上で終わらせていただきます。
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