衆議院環境委員会で、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」について質問
2026.04.21 18:50(4か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
4月21日の衆議院環境委員会で、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」について質問しました。
議事録
第221回国会 衆議院 環境委員会 第5号 令和8年4月21日
西園委員 中道改革連合の西園勝秀です。
本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
輿水委員の質問に引き続き、質問させていただきます。早速質問に入らせていただきます。
この法案は、メガソーラーなど大量の事業用パネルを扱う事業者に対してのみ厳格な計画提出義務が課されていますが、その基準は、一度に大量に廃棄をすることに置かれております。このような制度設計の下では、事業者が規制や費用負担を回避するため、効率の低下したパネルから順次廃棄していく、いわゆる分割廃棄を行った場合、多量排出の規制対象から外れてしまうおそれがあるのではないでしょうか。
このような明白な抜け道に対して政府としてどのように対応していくのか、御見解をお聞かせください。
中尾政府参考人 お答え申し上げます。
本法案の運用に当たっては、公正公平かつ適正な運用を図ることが重要であると考えてございます。御指摘のような、小規模に分割して廃棄をすることで事前届出の義務を免れることはあってはならないと考えてございます。
多量に太陽電池を廃棄しようとする者の太陽光パネルの排出の実態をこれからしっかりと調査した上で、例えば、総体として一度の廃棄と評価できる場合には届出義務の対象とするように、具体的な制度設計を検討してまいりたいと考えてございます。
西園委員 ありがとうございます。
ちょっと若干まだ今曖昧な感じがしますので、しっかり制度設計をお願いいたします。
次に、発電事業を長く続ける前提として、パネルそのものの寿命について伺います。
太陽光パネルは一般的に二十年から三十年が寿命と言われていますが、時間の経過に伴い、発電効率がどのくらい落ちていくのでしょうか。例えば、設置した当初の発電効率を一〇〇とした場合、二十年後にはどの程度まで劣化すると想定されていますか。まだ十分に発電できるのであれば、安易な廃棄を止める十分な根拠になるはずです。技術的な見地からお答えいただければと存じます。
小林政府参考人 お答えいたします。
太陽光パネルの経年劣化は、一般的にはパネルの設置環境やメンテナンス状況等にも左右されますことから、御質問に一概にお答えすることは少し難しい点がございますが、事業者の団体であります太陽光発電協会によりますと、一般的には太陽光パネルの耐用年数は二十から三十年程度とされており、また、年間〇・五%程度の劣化が蓄積し、二十五から三十年程度後には出力が八〇%以下になることもあるというふうに事業者側からはされているところでございます。
西園委員 ありがとうございます。
今のお話ですと、二十年を経過しても、出力の大体八割は残るということでございますよね。これらを一律にもし廃棄して、粉砕してしまうというのは資源の観点からも極めて非効率だと思います。劣化の程度に応じて、修繕しながら継続利用する、あるいは他の場所で再使用、リユースするといった対応は可能なのではないかというふうに思います。
このように、使用可能なものを長く活用し、再使用を促進することで、将来的に集中が見込まれる廃棄のピークを後ろ倒しし、排出量の平準化を図ることもできます。この平準化はリサイクル施設の安定稼働の観点からも重要です。
廃棄のタイミングを適切に調整し、排出の平準化を図るべきと考えますが、政府の御見解をお聞かせ願います。
中尾政府参考人 我が国では、二〇一二年の固定価格買取り制度の開始直後の三年間で太陽光発電の導入が急激に進んだことから、これらの太陽光発電で用いられていた太陽光パネルが寿命を迎えることで、排出のピークが発生することが見込まれるところでございます。
二〇三〇年代後半以降に見込まれる大量廃棄に向けましては、過不足なくリサイクル施設の処理体制を構築し、それを維持するためには、廃棄の平準化が非常に重要であると考えてございます。
委員御指摘の長期間の使用、リユースなどにつきましては、いずれも廃棄の平準化に資するものであると考えてございます。
このため、本法律案では、基本方針及び責務規定におきまして、太陽電池廃棄物とする太陽電池の量の抑制のための措置として、長期間の使用及びリユースの促進を位置づけ、事業用太陽電池廃棄者に対する判断基準におきましても、長期間の使用やリユースを行うことを定める。また、販売業者に対しましても、これらの取組に関する情報提供の努力義務を課しているところでございます。
これらの措置を通じまして、太陽光パネルの廃棄の平準化を図ってまいりたいと考えております。
西園委員 ありがとうございます。本当にリユースが大変重要かと思います。
それで、民間投資を引き出すための環境整備としましては、もう一つ、やはりリユースの市場づくりというのも重要かと思います。排出量を抑制するためには、まだ十分に使えるパネルを安易に廃棄や埋立てに回させてはなりません。しかし、現状では、どれがリユースできて、どれが廃棄すべきという明確な基準がないため、使えるものまで捨てられてしまっております。
劣化状態に応じた中古パネルの性能評価や安全性の基準を国が明確に定め、リユースを積極的に推進する新たな仕組みづくりが必要ではないかと思いますが、政府の見解を伺います。
中尾政府参考人 先ほども御回答させていただいたとおり、再利用可能な太陽光パネルをリユースすることは、排出量の抑制の観点からも重要でございます。
本法律案におきましても、リユースについては廃棄の抑制に係る措置といたしまして、基本方針、責務規定、事業用太陽電池廃棄者に対する判断基準、販売業者による措置などにおきまして、リユースを促進するための規定を置いているところでございます。
環境省では、これまで、適正なリユースを促進するため、発電事業者、解体、撤去事業者などに向けたガイドラインを策定いたしまして、関係者への周知を図るとともに、使用済太陽光パネルの性能診断機器の開発ですとか残存使用可能年数の評価手法の確立に向けた実証事業を実施してきたところでございます。
本法律案の基本方針及び判断基準を定めることに加えまして、ガイドラインの改定作業も進めまして、太陽光パネルを使用している者に対して、リユースの取組を促してまいりたいと考えております。
西園委員 ありがとうございます。リユースを促していくということがまさに重要な柱だと私も思います。
では、次に、費用負担の在り方について質問をさせていただきます。
太陽光パネルは、いかに長期間使用したとしても、最終的には必ず廃棄の時期を迎えます。その際の費用をどのように確保するかが重要な課題です。
政府は、現行のFIT制度の下で廃棄費用の積立てが行われていると説明していますが、FIT制度終了後の期間や、そもそもFIT制度を利用していない新しい設備については廃棄費用を誰がどのように確保するのかが不明確です。また、設備が転売され、所有者が替わる中で、最終的な保有事業者に支払い能力がない場合には、不法投棄につながるおそれもあります。
こうした制度の適用外となるケースにおける費用負担の在り方について、どのような具体策を講じておられるのか、政府の御見解をお聞かせ願います。
小林政府参考人 お答えいたします。
まず、廃棄物となった太陽光発電設備については、今御指摘のFIT、FIP制度の対象か否かにかかわらず、排出事業者に対して廃棄物処理法に基づき適正処理が義務づけられており、厳格に対応されることとなると承知をしてございます。
その上で、FIT、FIP制度においては、支援額の算定に当たり、再エネ電気の供給を効率的に実施する場合に通常要する費用を計上することとしておりますけれども、この中に廃棄等に通常要する費用が含まれている中で、事業期間中における支援の交付等の際に、源泉徴収的に積立てを求め、適切に廃棄等が実施された際に、当該積立額の取戻しを認めることとしているわけでございます。これは、支援制度の要件として、適切な廃棄等に係る地域の懸念への対応と事業者に与える事業制約の度合いとのバランスを踏まえ、措置しているものでございます。
一方で、御指摘の非FIT、非FIPの太陽光発電設備については、廃棄等の費用を含める形での政策的支援は行ってはいないわけでございまして、そうした中で、太陽光発電設備特有の放置の実態やそれが公益に与える影響、規制的措置を実施する場合に事業者に与える事業制約の度合い等に鑑みながら、慎重な検討を要するものと考えてございます。
御指摘の点も含め、引き続き対応の在り方を検討していきたいと考えてございます。
西園委員 ありがとうございます。まさに、本当にこれが検討課題だと思います。
この費用の問題は、パネルだけにとどまりません。事業を完全に終わらせるためには、パネルを支えていた巨大な鉄の枠、架台や、地中深くに埋まったコンクリートの基礎なども全て撤去し、土地を元の状態に戻す必要がございます。これら周辺の構造物の撤去費用は、パネル単体のリサイクル費用以上に莫大な金額になる可能性がございます。
では、事業者はどこまで費用を負担する責任があるのでしょうか。土地の所有者と事業者が異なる場合、この莫大な撤去費用は最終的に誰が負担することになるのか、お答えいただければと存じます。
小林政府参考人 お答え申し上げます。
まず、委員のお話にありました構造物の撤去における費用については、立地状況等により様々であることから、一概にお答えすることは困難でございますけれども、廃棄物となった設備について誰が義務を負うのかという御質問については、廃棄物処理法に基づいて、その排出者が適正処理の義務を負うこととなってございます。
この事業者において、構造物の撤去費用も含めて、当然に必要な廃棄等費用を確保することが必要であると考えてございます。
西園委員 ありがとうございます。不法投棄にならないように、是非、詳細な制度の検討をお願いいたします。
このリサイクルと埋立処分の圧倒的なコスト差、分割廃棄による抜け穴、FIT対象外の処分費用の不足、架台の莫大な撤去費用など、現行案の枠組みだけでは余りにも多くの課題が残されていると思います。これらを放置すれば、最終的に資金力のない事業者がパネルや基礎をそのまま放置して逃げてしまうおそれがあります。その不法投棄のツケを国民や自治体に回さないために、例えば、公的な基金を用いた最後のセーフティーネットを含めた抜本的な費用負担の仕組みを検討し、構築すべきではないでしょうか。政府の御見解をお聞かせください。
中尾政府参考人 お答え申し上げます。
太陽光パネルのリサイクルにつきまして費用と処理体制の課題がある中で、本法律案によりまして、大量廃棄時までにリサイクル費用と埋立処分費用との差額を可能な限り低減させ、放置されづらい環境を整備していきたいと考えてございます。
その上で、廃棄物となった太陽光パネルにつきましては、先ほど政府委員からも答弁がございましたように、廃棄物処理法に基づき排出事業者に適正処理が義務づけられているところでございます。都道府県と緊密に連携し、適正処理が徹底されるよう不法投棄対策に取り組んでまいりたいと考えてございます。
なお、不法投棄による生活環境保全上の支障の除去につきましては、廃棄物処理法に基づき原因者や排出事業者などに対して求めることとなりますけれども、資力不足によりまして支障除去の措置を講じないなどの場合は、やむを得ず都道府県等において行政代執行を行うこととなります。その費用の一部につきましては国と産業界からの拠出による基金から支援を行っているところでございます。
西園委員 ありがとうございます。
大臣には最後に御質問いたしますのでちょっとお待ちください。もう一問だけさせてください。
メーカーの責任についてお伺いいたします。
今回の法案では、メーカーに対し、解体しやすいパネルの製造などいわゆる環境配慮設計を求めておりますが、その位置づけは努力義務にとどまっております。しかしながら、メーカーが真にコストを投じてリサイクルしやすい製品の開発に取り組むためには、将来的に廃棄段階における物理的、経済的責任の一部をメーカー自身が負担する拡大生産者責任、EPRの導入が不可欠ではないでしょうか。いわゆる造って売るだけにとどまる現行の仕組みをどのように見直していくお考えなのか、政府の見解をお聞かせください。
小林政府参考人 お答えいたします。
まず、本法律案では、御指摘のとおり、製造業者等に対して直接的に廃棄の責任や費用負担を求めることはしてございませんけれども、省資源化やリサイクルしやすい設計の実施、含有物質情報の提供について努力義務を課すこととしてございます。その上で、資源有効利用促進法において太陽光パネルを対象製品に新たに指定をし、製造業者等に対して国が定める判断基準に基づく環境配慮設計等の取組を求めることも新たに検討しているところでございます。この法律では、判断基準に照らして取組が著しく不十分な場合には国が製造業者等に対して勧告、命令ができることとされております。
こうした一連の措置を通じて、製造業者等に対し一層の取組を促していきたいというふうに考えてございます。
西園委員 御答弁ありがとうございます。
大臣、済みません、大変お待たせいたしました。最後の質問は大臣にお伺いしたいと思います。
今、ただいまこのやり取りを聞いていただいてお分かりになると思いますが、まさにこの現行の法案の枠組みだけでは将来の不法投棄のリスクを十分に抑止できず、また民間企業が安心してリサイクルに投資できる環境が整っているとは言い難いと考えます。政府が目指す本法案の目的を確実に達成するためには、長期間の使用と再使用の促進、費用負担の在り方の見直し、持続可能な再資源化体制の確立という、これまで議論してまいりました抜本的な課題について国として速やかに検討を進め必要な対策を講じていくという強い意思を附則等において明確に示すことが不可欠かと思いますが、大臣の御見解をお聞かせ願います。
石原国務大臣 委員の御指摘のとおり三つのポイントがありますけれども、二つについてまずちょっと説明させていただきたいと思います。
長期間の使用やリユースの促進、そして太陽電池廃棄物の持続可能な再資源化実施体制の確立は、いずれも太陽光パネルの資源循環体制の構築に必要な要素であると思います。
このため、この法律案では、国が定める基本方針及び判断基準に基づき、太陽光パネルを使用している者に対して、長期間の使用、リユース及びリサイクルの推進に関する取組を促すこととしております。
また、リサイクル事業者の事業計画認定制度を設けて、できるだけ費用のかからないリサイクルを後押しすることとしております。
加えて、国としても、予算措置や、昨年施行した再資源化事業等高度化法による措置などにより、体制整備を図っていくところであります。
他方、費用負担の在り方ですけれども、製造者にも負担をというような意見も多々ありますけれども、現時点での埋立費用とリサイクル費用の差額が大きいのは事実でありますけれども、今後リサイクルの量が増えていくと、費用の低減が見込まれることから、現時点の差額を前提に費用負担の在り方を決めることは妥当性が少しないんじゃないかなというようなことはあります。
埋立費用は二千円で、FIT、FIPで積み立てているわけでありますけれども、今後、八千円から一万二千円というリサイクルの費用が、リサイクルの量が増えてくると減ってきますので、そうすると、そもそもリサイクルの負担の金額がどこなのかというのを決める妥当性がなかなか難しいのではないかというふうに思っているところであります。
まずは、リサイクルの需要拡大を図り、費用負担に取り組むために、本法律案において、多量に廃棄しようとする太陽光発電事業者等に対して、国が定める判断基準に基づくリサイクルの実施に向けた取組を義務づけることとしたところであります。
これらの取組を通じて、将来の大量廃棄に備え、社会全体のコスト抑制を図りながら、長期間の使用とリユースを促進するとともに、リサイクルの規制を段階的に強化して、持続可能なリサイクル体制を構築してまいりたいというふうに考えております。
西園委員 ありがとうございます。終わらせていただきます。
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