議院環境委員会で、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」に対する参考人質疑
2026.04.24 23:00(5か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
4月24日の衆議院環境委員会で、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」に対する参考人質疑を行いました。
議事録
第221回国会 衆議院 環境委員会 第6号 令和8年4月24日
西園委員 中道改革連合の西園勝秀です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。また、四人の参考人におかれましては、貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございます。
早速ですが、四人の参考人にお伺いいたします。
ただいま審議されているこの法律案でございますけれども、附則第四条に検討条項が設けられておりますが、文字数にすると三百二十八文字になります。これは、検討条項の標準的な文字数というのは私も調べてみたんです、大体、百から百五十字ぐらいというのが一般的でございまして、そう考えると、この法案というのは未解決課題が非常に多いということも言えるかと思います。
先ほども、複数の参考人の方からも拡大生産者責任の必要性などについての言及もございました。では、果たして、この検討条項は、太陽電池の廃棄の抑制及び太陽電池廃棄物の再資源化等の推進を図るという法目的に照らし、必要十分であると言えるのでしょうか。また、本則の各条文に修正が必要と思われるような事項はございませんでしょうか。各参考人の御専門のお立場から御意見をお伺いいたします。
大和田参考人 ありがとうございます。おっしゃるとおりというふうに思います。
この法案は、まずは、太陽光パネルを廃棄ではなくて、どうリサイクルに持っていくか、そのための第一歩というふうに考えていまして、私も指摘しましたが、そのほかの参考人の方々も指摘しましたように、まだまだ多くの課題を残しているというふうに思っていて、段階的に改善すべき内容だというふうに思っています。そのために、今後改善すべきそこの文言が、三百何字でしたか、大変多くなっているというのも当然のことというふうに考えています。
それでは、なぜ今この法案がそういう状態で走り出さざるを得ないのかということを三つほどちょっと考えてみましたので、挙げさせていただこうと思います。
まず一つは、これは私の専門でございますけれども、もう何度も申し上げています、現状のやはりリサイクルの技術、技術開発状況というのがまだ完全ではないということでございまして、大量に出てきたとしても、それを大量に付加価値の高い製品を生むようなリサイクル技術がまだでき上がっていない。
ここをやはり少しでき上がった状態である程度回していかないと、日本の中で、法律はできたけれども、それは誰かが苦しむような法律になってしまいますので、そこの点がまず第一点でございます。
それからもう一つは、これも同じことでございますけれども、今は再資源化等という表現になっています、この法案の中ではですね。再資源化等をしっかりと行う、指導するということになっているわけですけれども、基本的に、再資源化等ということになると、先ほど来申し上げているような質の低いリサイクルというのもこの中に入ってしまうわけですよね。そして、実質的にきちっとした資源回収につながらないというようなことも起こり得るわけです。
ただ、現在、高付加価値のものを求めるような法案の内容にすると、ここも先ほど申し上げたとおりでございますけれども、なかなかうまく回っていかない状況になります。ですから、そこの点も、技術開発が進んでいく段階に合わせて、制度というのも改善していくべきだというふうに考えています。
それから、最後、これは私、法案の審議会の中で随分いろいろ発言してきたのは、やはり拡大生産者責任という問題でございます。
この問題も、基本的には、繰り返しになりますけれども、この原則を実行しないと、きちっとした循環型社会というのはつくれないというふうに基本的には考えています。ただ、今の段階でそれを実行すると、御存じのように、今の太陽光パネルは、昔は日本がトップでございましたけれども、今は海外にほとんど依存しています。そこのときに、じゃ、海外のメーカーに対してどういう責任を負わせるのかというところは非常に難しい問題がございまして、一つ、まずは取りあえず国内の排出者、そこでの責任として考えてみたいというのがこの法案の内容でございます。
この点は、やはり、家電リサイクルとかそういったような、国内メーカーにおいて資源循環がある程度きちっとできるような、そういうものと太陽光パネルというのはちょっと状況が違うということで、これを海外に依存する依存率がどこまで今後変わってくるのか、こないのか、なかなか予見できない状況でございますので、現状としてはこのような内容にならざるを得ないんだろうというふうに考えております。
以上でございます。
増川参考人 質問にお答えいたします。
まず、本法案に関しましては、リサイクルの将来像がなかなか今現時点で予想が難しい、技術進展もございますし、それがどれだけ排出されるんだろうか、なかなか分からない。それから、コストがどういうふうに下がっていくんだというのが、今の段階で分からないことが多いというのが私どもの認識でございます。
その中で、今考え得るいろいろなことを盛り込んだ結果、こういうことになっているんだというふうに認識しておりますので、これで十分かと言われると難しい面もありますけれども、今考え得るものとしてはカバーされているのではないかと我々は考えている。
大事なのは、やはり、いろいろな技術進展なりそれからコスト削減が進んでいく段階に応じて、PDCAサイクルをしっかり法律の運用上回していきながら、より高度なリサイクルとか質の高いリサイクルで最終的にコスト効率的にリサイクルが進む、そういうことを目指すのが大事ではないかというふうに考えております。答えになっていないかもしれませんが、以上でございます。
山下参考人 山下です。
個別の条文についての意見ということになりますと、先ほど申し上げましたとおり、基本的なところで問題があるのではないかという指摘をさせていただいてしまいましたので、個別条文について特に何かというのは言いにくいところなんですけれども。
冒頭、委員長から忌憚のない御意見をというお話だったので、あえて踏み出させていただきますと、やはりこのタイミングで拡大生産者責任的な発想を入れておくべきではないかというふうに思っております。一度排出者責任だという法律ができてしまって、それを後から変えるというのは、私は法律の作り方とか専門ではないのでよく分かりませんが、結構ハードルが高いのではないかと思いますので、新しい法律を作るときにきちんとあるべき制度にしておいた方がよいのではないかなというふうに感じております。
先ほども申し上げましたが、そのときに、今あるものとこれから作るものとを分けるところから話を始めるのがよいのではないかと思っております。少なくとも、今あるものについては、FIT、FIP制度で、廃棄費用の積立てのことがございますので、そちらである程度担保できているという形で切り分けて、これから販売されるものについては、自動車のリサイクルのような制度のイメージをしているんですけれども、最初に買う、所有者さんになる人が将来の処理費用を預託するような形にして、最後の処分者は認定されている適正な事業者に自分の使ったパネルを引き渡す義務を課すというような出口にしておけば、出すときにお金はかからないわけですので、不法投棄の問題とかもありませんし、最初にお金を取るときにも、実際に支払うのは買う人になるわけですけれども、そのときに、価格上乗せ分がありますので、幾ら上乗せするのかというのは販売するメーカーですとか輸入業者に査定をさせて、それを調達価格等算定委員会のような公的なところが査定して、大丈夫かという話をして、取っておけばよいと思います。
将来もっと安くなるんじゃないかという話ももちろんあるとは思うんですけれども、それは、最終的に安く済んだとしたら、その分、メーカーになるのかきちんと管理をした所有者になるのかというところは詰めないといけませんけれども、還付すればよいと思っています。
途中で業者はいなくなるじゃないかという話もあるかもしれませんが、それぞれの販売した事業者が市場から退出するときには後継になるような主体をちゃんと引き継ぐように制度化しておけば、その問題もなくなるのではないかと思っておりますので、今ならまだ間に合うようでしたら、是非御検討いただければと思います。
宮路委員長 忌憚のない御意見、ありがとうございます。
浜田参考人 私も、法律が十分かどうかとか、修正するべきところがあるかというのはちょっと分からない部分があるんですが、リサイクルの現場に一番近くにいる人間として少しお話をさせていただくとすれば、今のこの法律の枠組みでいくと、大量排出事業者というんですか、要件を定めずに、多量、少量にかかわらずリサイクルしないといけないんだというふうにしてしまうのは、ちょっとまだまだ、リサイクルコストも正直まだ高いですし、設備のキャパシティーもそんなにそろっていない状況です。そういう意味では、そういう条文でスタートするのは少しリスクがあるのかなというふうに感じております。
一方で、条件付でも、リサイクルが義務化されることによって、リサイクル事業者は設備投資にも進むでしょうし、技術革新も、技術も進歩していくと同時に、コストも下がってくるんじゃないかなというふうに思います。
ただ、どこかでラインを決めるのはやむを得ないのかなと思うんですが、先ほども申し上げましたが、太陽光パネルというのが日本の全国津々浦々に設置されていて、これが、どこに、どれぐらいの量、どのようなパネルが存在して、どれぐらいの年数がたっているのか、想定している寿命がどれぐらいなのか、発電所によってちょっと違うと思うんですけれども、そういったものを把握しておくことが重要なのではないかなというふうに思っております。
それで、段階的にハードルを上げていくということになるのかなと思うんですけれども、そうすると、排出側と再資源化事業者の歩調が合わさっていくことによって、更に技術が向上して、健全な市場形成ができて、コストダウンが連鎖的に促進されて、最終的に再資源化が進むのではないかなというふうに個人的には思っております。
あと、現在、私の発表の中でもありましたが、むしろこのリユースという名の下で、不透明な海外輸出によってリサイクルが阻害されているということが現状あるかと思うんですが、そういったことを逆に法律で規制する方が効果的なのではないかなというふうにも思っております。
以上です。
西園委員 貴重な御意見、ありがとうございます。
やはり、今複数の委員の先生方からもこの法律が必ずしも現状では一〇〇%と言えるかというと、胸を張ってそうだとは言えないというのが多分大宗を占めたのかなというふうにも思います。
その中で、やはり、その拡大生産者責任というのが、よく皆さん、各委員のお話からも出てまいります。大和田参考人も、この拡大生産者責任の話を触れられました。私も、この法律の中に、この拡大生産者責任のことがやはり触れられていないというのが果たしてどうかなというちょっと疑問を持ちながら今回この審議に入らせていただいているわけですけれども、この拡大生産者責任の在り方について、少し、もし御意見をいただければと思います。
大和田参考人 ありがとうございます。本法案の課題として、私は一番重要な視点だなというふうに考えています。
先ほど申しましたように、本当の意味で適正な循環型社会をつくるには、拡大生産者責任がないと、これはきちっと回っていかないというのは私の昔からの持論でございます。ただ、これは、アカデミアとしての理想でありまして、じゃ、現実がどうかというのを見たときに、既にもういろいろな方々もおっしゃいました、私も申し上げましたけれども、やはりまだいろいろな課題があって、そこは、やはりその技術と制度をどう整合させていくのか、その技術がまだそこまでできていないということ、それから、あとは、これは、技術ができていないというのは、非常に一体化している製品でございますので非常に難しいということがあるわけですけれども、それから、やはり、どうしても生産者が海外に依存している状況であるということは非常に大きなことだというふうに思っております。
この点を、今現状で一〇〇%でないとおっしゃいましたけれども、私は現状ではこの内容は一〇〇%に非常に近いというふうに考えています。ただ、理想からはかなり外れているという状況でございまして、現状を考えてみて、やはり、そういったようなこの内容については、現状では最適な、一番合理的な法案ではないかなというふうに考えております。
以上です。
西園委員 ありがとうございます。
この拡大生産者責任の必要性は、恐らく、皆さん多分共通していると思うんですが、それが法律に果たして今の時点でどう扱うかというのが、多分ここが議論があるところかと思いますが、山下参考人は、先ほど、この段階で拡大生産者責任を入れておかないと後で禍根を残すというような趣旨の御発言があったと思うんですが、ちょっと改めて大和田参考人の御意見を踏まえた上で、山下参考人はどのように受け止めておられるかを御意見をいただければと存じます。
山下参考人 山下です。
私はあくまで理想論の方の立場でございますので、そこから申し上げさせていただきますと、やはり、将来のことを考えると、これから、資料にもある二〇四〇年代に五十万トンのピークで、その後減っていくというのがかなりミスリーディングだと思うんですが、エネ基に基づいていくと、二倍、三倍に増えるので、次のピークがもっと大きなものが来るかもしれないはずなんですね。
なので、そちらを焦点に当てた、きちんとした制度をつくっておくべきだと思っております。そのときには、拡大生産者責任という言葉を入れる必要は必ずしもないと思います。自動車リサイクルのようなユーザー負担の前払いの預託で十分だと思っておりますので、その辺り御検討いただければというふうに考えております。
西園委員 ありがとうございます。
この法案は、そもそも検討事項がこれだけ多いということ自身が課題の多さを表していると思います。その意味で、この拡大生産者責任については、この法律の中でどういうふうにこの概念を入れていくかということが、やはり、一番残されている、私たちに課されている課題かなというふうにも思っております。
この太陽光パネルですけれども、今現在EUが特に炭素価格を更に上げて、他国から、この炭素価格が足りていない部分についてはCBAMという形で調整するという話が出てきていて、さらに、それが恐らく将来的には、日本の産業にとって、再生可能エネルギーを使ったもので生産しなければ、行く行く日本が立ち行かなくなる状況が将来的に出てくる可能性があると考えれば、いかに太陽光パネルを本当に継続して普及していくかということは非常に重要かというふうに思っております。
その意味では、この法律というのはある意味そこに向けた第一歩だというふうに思っておりますので、今日いただいた御意見を真摯に承り、是非この委員会の審議に生かさせていただきたいというふうに思っております。
本日は誠に貴重な御意見、ありがとうございました。質問を終わらせていただきます。
活動報告
- 8月30日
- 中道の灯火を大切に❗️
- 8月28日
- 静岡市清水区でご挨拶
- 8月27日
- 富士市でご挨拶
- 8月26日
- わさびの生育状況確認
- 8月25日
- 赤根智子ICC所長を守れ❗️
国会質問
- 7月14日
- クマ被害を防ぐ科学的な個体数管理等について質問
- 5月29日
- 衆議院国土交通委員会で「港湾の施設の技術上の基準・同解説」の改訂等について質問
- 5月23日
- 衆議院 環境委員会でPCB廃棄物の安全処理へ。附帯決議案の趣旨を説明
- 5月19日
- 衆議院 環境委員会で在日米軍基地のPCB管理を問う
- 5月15日
- 衆議院災害対策特別委員会で附帯決議(案)の趣旨を説明
メディア掲載情報
- 8月9日
- 若者の政治参加学ぶ
- 8月5日
- 登記の負担減らして
- 8月3日
- 【熊本地震】真心の応援呼び掛け
- 5月30日
- ドクターヘリ操縦士養成せよ
- 5月26日
- 核廃絶、日本から発信