衆議院環境委員会でGX、サーキュラーエコノミーについて質問
2026.04.10 23:00(6か月前) 国会質問活動報告 |西園勝秀
4月10日の衆議院環境委員会において、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、サーキュラーエコノミーについて質問しました。
・日本とEUの脱炭素の取り組み
・EU炭素国境調整措置メカニズム(CBAM)
・デジタル製品パスポート(DPP)の日本規格策定
・「動静脈連携」を進めるにあたっての課題
・GX推進における中小企業支援
本編は、こちらをご覧ください。

資料① 主な国別エネルギー起源温室効果ガス排出量について

資料② EUの炭素国境調整措置(CBAM)について
議事録
第221回国会 衆議院 環境委員会 第2号 令和8年4月10日
西園委員 中道改革連合の西園勝秀です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
早速質問に入らせていただきます。
地球温暖化対策は全ての省庁が横断的に取り組むべき課題でありますが、中でも環境省はその旗振り役としての役割が期待されているところでございます。
そこで、本日は、温暖化対策の重要な施策としてのGX、グリーントランスフォーメーション、そしてサーキュラーエコノミーに関する質問をさせていただきます。
まずは、これまでの化石燃料中心の社会構造からクリーンエネルギー中心の脱炭素社会へと転換させる取組であるGXについて質問させていただきます。
配付資料の一を御覧ください。これは、主な国別の温室効果ガス排出量の推移を示すものです。右側の表を御覧ください。これは、一九九〇年から二〇二三年までの三十三年間の排出量の変化率を表した表です。中国やインド、ブラジルなど、極端な増加をしている国もある一方、上から四段目のEU二十七か国はマイナス三四%、下から三段目のイギリスはマイナス四七%と、かなり努力の成果が見られます。一方、日本は、中段にありますとおり、マイナス一一%となっております。一定の成果は出ておりますが、イギリスやEUと比較すると、まだ改善の余地があると思われます。
EUは、一九九〇年から四十年後の二〇三〇年までに五五%以上を削減するという目標を掲げ、制度設計、法整備、そして市場形成において、極めて戦略的に動いています。一方、日本は、二〇一五年に合意されたパリ協定に基づき、二〇二一年の閣議決定で、約三十年後の二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量と吸収・除去量を均衡させ、実質的に排出ゼロを目指すカーボンニュートラルの実現を目指すと宣言をしました。
日本もEUと同様に野心的な目標を掲げているわけですが、これまでの削減実績の評価と、環境省が政府の中でどのようなリーダーシップを発揮していくのか、石原環境大臣の御見解をお伺いいたします。
石原国務大臣 お答え申し上げます。
我が国の温暖化効果ガスの排出・吸収量は、二〇二三年度時点で、基準年である二〇一三年度から約二七・一%減少しているところであります。二〇五〇年ネットゼロ及びその実現に向けた削減目標の達成に向け、一応、順調な減少傾向を継続しているというふうに評価をしているところであります。
これは、我が国のこれまでの継続した省エネの取組や、電源の脱炭素化の取組による寄与が大きいものというふうに認識しております。
環境省としては、目標達成に向けた関係省庁の施策の進捗点検を進めており、そして、自らも、地域、暮らしといった需要側からの脱炭素の取組を主導していくとともに、国内での取組に加えて、AZECやJCMを通じて、世界の排出削減に貢献をしてまいりたいというふうに考えております。
西園委員 ありがとうございます。
日本もしっかり頑張ってくださっていると思いますが、やはりEUの動きというのは大変私たちも注視しなきゃいけないというふうに思っております。
そこで、日本企業への影響が懸念されるEUのCBAMについて伺います。
資料二を御覧ください。
EU―CBAMとは、EU炭素国境調整措置のことです。資料の上段、CBAM導入前を御覧ください。
例えば、EUの地域外で安価な石炭火力発電により製品を作るとします。一方、EUで風力などの再生可能エネルギーで製品を作った場合、温室効果ガスの排出量は抑えられますが、製造にかかる費用は高くなります。炭素価格とは製品を作る過程でかかるコストであり、温室効果ガスの排出削減のためのコストであるとも言えます。
このように、EU域内では、企業は排出量取引制度、EU―ETSにより高い炭素価格を負担していますが、域外の企業は、その負担が軽いため価格競争で有利になります。EUだけが厳しい規制を強めれば、企業は規制の緩い域外へ生産拠点を移転させてしまいます。これでは、地球全体の排出削減にはつながりません。
そこで、EUは、域内で生産しても域外で生産しても、企業が脱炭素のために負担するコストを同じにするという新たな経済ルールを導入しました。これがCBAM、炭素国境調整措置でございます。
この制度では、域内と域外の炭素価格の差額を調整金として支払う仕組みとなっています。そのため、域外で排出量の多い安価な方法で製造した場合でも追加の負担が生じてしまい、域外で生産するメリットがなくなります。結果として、CBAMは温室効果ガスの排出削減に大きく寄与しております。
現在、EUの炭素価格は一トン当たり約六十ユーロから百ユーロの間で推移しており、日本とは数倍の開きがございます。CBAMが本格運用されれば、日本の輸出企業は、日本国内での炭素価格に加え、EUに対しCBAMの支払いという二重のコスト負担を強いられるリスクがあります。
このような二重負担を回避するため、日本政府としてEU側とどのような交渉を行っているのか、お伺いいたします。
福本政府参考人 お答え申し上げます。
EU―CBAMにおきましては、EU域外で義務的に支払われた炭素価格については、輸入品に課される負担額から控除可能とされております。この制度の詳細につきましては、今後、EUから公表されると承知をしております。
日本政府といたしましては、化石燃料賦課金、あるいは排出量取引制度において支払われる炭素価格など日本国内での負担がEU―CBAMにおいて控除対象となるよう、欧州当局に働きかけを行ってきたところでございます。また、昨年十一月のCOP30におきましても、石原環境大臣とフックストラ欧州委員との間でも本CBAMの制度設計について意見交換が行われたところでございます。
こうしたハイレベルの対話も含め、引き続き、EU当局との議論を行ってまいりたいと考えております。
西園委員 御説明ありがとうございます。
今の交渉で言われているいわゆる控除というのは、この資料の下の図でいくところのEU域外の炭素価格、これが聞きたいんですけれども、この部分を、EUに対して、同じように、炭素価格の同等程度を引いてくれと、同じだというふうに、控除してくれと、そういう意味だと思うんですけれども、でも、結果として、それでもEUの炭素価格の方が今は高いわけですよ。結局、やはり差額が残る。その差額分はCBAMとしてEUは課してしまう。ですから、控除するのは確かに大事なんですけれども、CBAMのこの差額は残ってしまうということなんです。
ですので、このCBAMの支払い額、これは、結局、EUの炭素価格と日本国内で既に支払われた炭素価格の差分で決まるということですので、現在のEU価格、炭素価格は高騰しており、日本との差はもう歴然としているというのは明らかです。したがって、日本とEUでは制度そのものの仕組みが異なるなど様々な理由はありますけれども、この価格差が存在し続ける限り、日本は、企業は継続的にCBAMの支払い義務が生じてくる、これは変わらない事実でございます。
これについて、政府は、この価格差の解消をする、そのためにどのような方法で解消していこうとされているのか、この点について御見解をお伺いいたします。
福本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のCBAMでございます。こちらは、EUの中の元々の仕組みといたしましては、カーボンプライシングの実施に伴って、域内産業が域外に移転してしまう、あるいは、脱炭素の取組が十分でない国からの安価な輸入品、こうしたことが流入してくることへの対応として導入されていると理解をしております。こうしたことで、英国や台湾、ほかの国でも、CBAM導入に向けた検討が進められているものと承知をしております。こうしたCBAMは、カーボンリーケージリスクの対応手段の一つでございます。
一方で、このCBAMにつきましては、執行のコストが非常に高いということ、あるいは貿易障壁となり得るといったことが議論されております。また、国内製品の輸出競争力の維持にはつながらないといったこと、あるいは、海外からの製品の価格、物価を上げる可能性といった課題もございます。こうしたことも踏まえて、現時点で日本政府としてはCBAMの導入自体は予定はしていないということでございます。
一方、先ほど申し上げました排出量取引について、カーボンリーケージそのもののリスクにつきましては、そうした配慮措置を設けるといったことなど、これもEUの制度とは異なっておりますけれども、こういったことで、その目的とするカーボンリーケージについては対応していくということとしております。
また、各国でCBAMが乱立するといったような産業界からの懸念もございます。こうしたことに対しまして、我が国は、WTOの貿易と環境委員会におきまして、炭素排出量の計測手法に着目をいたしまして、各国の措置がしっかりと透明性を高めるといったものになるようにガイダンスを作成するといった取組も進めております。
こうしたことを通じまして、各国のCBAM導入、あるいはカーボンリーケージ対策、こうしたこともしっかりと注視をしてまいりながら、産業界に過度な負担を課すものとならないよう対応をしてまいりたいと考えております。
西園委員 ありがとうございます。
まさに、いわゆる国内の産業界に負担を課さない状態の中で、EUとの調整をどう図っていくか、やはりこれが非常に難しい課題だと思うんですね。今御指摘があったように、各国でも既にいわゆる対抗措置として、このCBAMを課そうとしている動きがあるということでございます。既に台湾がそういう動きをしていると。台湾がもしこのCBAMを導入するようになってくると、中国本土がこのCBAMを入れ出すと、もはやゲームのルールは完全にそちらにシフトされてしまいますので、日本がその状況でこのCBAMが全体の中で導入されたら、大変な、私、大きな問題になるというふうに危惧しています。ですから、是非、経産省さんには、リーダー役となって、日本が積極的にこの運用を行っていただきたいというふうに思うんですね。
その上で、今まさに日本が進められている、二〇二三年に設立されましたが、GXリーグ、これが非常に私は重要かと思っています。これは、企業がそれぞれ自主的に排出削減目標を定め、その達成に向けて排出量取引を行っているわけでございます。これまでの取組を通じて、知見やノウハウの蓄積、そして必要なデータの収集が進められ、公平性や実効性を高めるための制度が進められてきました。そして、二〇二六年度からは排出量取引が本格的に稼働される予定とされています。
そこで、石原大臣にお伺いしますが、気候変動対策の司令塔でございます、是非、環境省、排出量取引制度をどのように活用し、そして炭素政策全体をどのように推進していくのか、大臣の御見解をお伺いできればと存じます。
石原国務大臣 お答え申し上げます。
脱炭素、経済成長、エネルギー安定供給の同時実現を目指すGXの取組として、GX経済移行債による先行投資支援に加えて、まさに本年度から排出量取引制度が開始されるところであります。
排出量取引制度は、取引を通じて効率的に産業部門の排出削減を促し、また、排出削減に向けた先行投資を促進するものとして、脱炭素の取組を加速化させる重要な施策であるというふうに環境省としても考えているところであります。
そして、環境省として、本制度の円滑な運用を支援するとともに、排出実績の算定に活用可能なJクレジットやJCMクレジットについて、着実に制度を運営してまいりたいと思います。既にパリの六条に沿った認定も二つぐらいの国でできていますけれども、それもこの排出権取引で企業が活用することもできますので、そういうことをしっかりと環境省としても進めてまいりたいと思います。
そして、地域、暮らしの分野におけるGXの取組等を推進していくとともに、我が国の気候変動対策を取りまとめる立場として、GX―ETS制度も含め、対策全体の推進や進捗管理をしっかりと行ってまいりたいというふうに考えております。
西園委員 ありがとうございます。
まさにこの分野も世界で競争だと思いますので、是非環境大臣には、日本をリードして、世界を引っ張っていっていただければというふうに思います。
次に、資源を効率的に循環させ、廃棄物を最小化しつつ経済活動を行っていく取組、サーキュラーエコノミーについて質問させていただきます。
CBAMはいわば炭素の関税であり、製品の製造過程でどれだけのCO2を出したかを正確に証明することが求められる制度でございます。
しかし、この排出量の見える化という動きは単に炭素価格の調整にとどまりません。今、欧州を中心に、製品がどこでどのような素材で作られ、どうリサイクルされるべきかという全工程のデータをデジタルで管理、共有しようとする大きなルール形成が進んでいます。
カーボンニュートラルの実現には、エネルギーの転換だけでなく、資源を無駄なく使い回すサーキュラーエコノミーへの転換が不可欠であり、その鍵を握るのが情報の透明性です。
EUでは、二〇二三年に欧州バッテリー規則が発効しました。ここでは、バッテリーのライフサイクル、つまり原材料の調達から製造、使用、リユース、リサイクルまで、バッテリーに関するあらゆる情報をデジタルで一元的に管理するバッテリーパスポートが義務化されています。このバッテリー規則を先駆けとして、現在、EUでは、電池以外の製品も対象とするデジタル製品パスポート、DPPの導入が急速に進められています。消費者は、DPPにアクセスするためのQRコードなどをスキャンすることで、その製品がどれだけ環境に配慮されているかを瞬時に確認することができるようになります。そして、来年二月からはEV用バッテリー等へのDPP導入が決定しており、実務上の対応期限は、まさにこの二〇二六年中ということになります。
もし日本が欧州の決めたルールに受動的に従うというのであれば、我が国製造業の機密情報やサプライチェーンの核心データが他国に握られ、欧州市場への参入をちゅうちょする企業が増えるおそれがあります。あるいは、これに対応できない企業については、欧州の市場ではビジネスを行えないということになるわけです。
このEUのDPP導入の義務化に対して、政府はどのように認識し、今後どのように対応されるのかについて、お伺いいたします。
西川政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの欧州バッテリーパスポートでございますけれども、トレーサビリティーの確保、また、消費者等への情報提供のため電池の組成等に関する情報を流通させる仕組みだと認識してございます。欧州バッテリー規則の一環として、議員御指摘のとおり、二〇二七年二月以降、欧州市場で電池を販売する際に対応が必要になってまいります。
日本企業への影響でございますけれども、実は現時点で規則の詳細が十分には明らかにされていないところがございます。したがって、まだ正確にお答えすることは難しいわけでございますけれども、データの収集や開示の範囲、これが適切なものになるように欧州委員会に随時働きかけをしてきているところでございます。
また、政府としても、業界と連携をしながら、日本独自のバッテリーパスポートの構築も進めてございます。日本企業の欧州バッテリー規則対応に際しても、本取組が活用可能となることを目指してございます。
欧州の動向も注視しながら、引き続き必要な対応を進めてまいりたいと思います。
以上でございます。
西園委員 ありがとうございます。
まさに今私も、ちょっとこの日本の取組というのを是非促そうと思っていたところでございます。
EUがこのDPPを導入する最大の狙いというのは何かということを私なりに考えてみますと、これは、製品に含まれるレアメタル等の希少資源の種類や、あるいはリサイクル可能な設計かどうかを可視化することで、製品を効率的に回収し、資源として再利用する、この循環型経済を支えようとしている点にあると私は見ております。
しかし、このDPPはサプライチェーン全体でデータを共有するため、そこには企業の営業秘密や独自技術のデータも含まれる可能性がございます。政府は、中小企業を含むサプライヤーが安心してデータを提供できるためのセキュリティー担保や情報漏えいリスクを軽減する仕組みづくりについて、どのように認識され、どのようにEUと調整されているのか、お伺いいたします。
西川政府参考人 お答え申し上げます。
日本のバッテリーパスポートでございますけれども、データ連携を通じた新しい価値を生み出す企業間の連携システム、ウラノス・エコシステムのユースケースの一つとして、今現在、取組を進めてございます。
この取組に当たっては、御指摘のとおり、企業の営業秘密の保護のための基本方針として、四つのこと、提供者の同意を得た上での利用者へのデータ提供、提供者による意義を踏まえたデータの公開範囲の設定、また、法令遵守が必要な情報について、適正な契約に基づく必要最小限のデータ提供、さらに、バッテリーパスポートの運営事業者の公正性、公平性の確保、こういったものを定めることを検討してございます。
このような適切な情報管理を徹底することで、バッテリーパスポートでの企業の営業秘密の保持に万全を期していきたいというふうに考えてございます。
また、欧州との関係でも、こういった、日本ではこういうものをやる、また欧州ではこういうことをやる、そこの意見交換をしっかりやりながら万全を期してまいりたいと思います。
以上でございます。
西園委員 ありがとうございます。
今まさに、日本の場合、このウラノス・エコシステム、ウラノスというのはギリシャ神話の神みたいな感じだというふうに聞いたことがありますが、要は、全体を俯瞰をして見るというか、製品のいろいろな市場のメカニズムを俯瞰をして見る。だから、バッテリーパスポートとか、バッテリーの、一部のものだけですけれども、それを、もっとあらゆる製品、リサイクルした、いろいろなことを、全体を俯瞰して見るという、実はかなり壮大な目標を日本は掲げているというのを私も勉強させていただいて、非常に頼もしいなと思ったところですので、是非これを世界に向けて発信できるようにしていただきたいと思うんですね。
ただ、このシステムなんですけれども、やはり懸念するのが、企業の営業秘密を守り抜かなきゃいけないということと、あとは環境価値の証明に必要なデータを共有するということは、やはりどうしても二律背反する事象なんですよね。ですので、この課題をシステムとしてどう解決しようとしているのかということについても、是非ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
西川政府参考人 お答え申し上げます。
ウラノス・エコシステムにおきましては、御指摘のとおり、提供者が同意した範囲でのデータのアクセス権設定、サービス運営事業者の公平性、公正性の担保等を通じて企業の営業秘密を保持しながら企業間でデータを共有する、こういった取組が大事だと思って推進してございます。
また、これも御指摘のとおりでございますけれども、CO2排出量の管理などを実現するための自動車、蓄電池のデータ連携基盤、こういった環境価値も含めて環境業界において構築し、サービスを開始しているというところでございます。
こういったデータ連携基盤に関する、また先ほど欧州との関係もございましたけれども、標準化でございます、どうやってバランスを取るかということでございますけれども、昨年十月から、国際標準の世界においても、標準化活動関係者と情報共有、戦略策定の場を立ち上げて議論を行ってございます。自動車、蓄電池の取組をモデルとして、化学物質管理など他の分野での展開も進めながら、欧州のCatena―X、こういったシステムとの、海外プラットフォームとの相互運用性の確保や、またASEAN地域、こういったところへの国際展開も進めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
西園委員 ありがとうございます。
今のような形で、このウラノス・システムの世界展開を是非図っていただければというふうに思います。
そして、循環経済への移行に向けては、環境省さんは、経産省とともに様々な施策の検討がなされていることと思います。先ほど言及しましたウラノス・エコシステムは、動静脈連携を進めるに当たって、今後重要な情報源となってくるシステムでもあります。これは、循環経済実現を更に加速することのできる極めて重要な仕組みであると考えます。
サーキュラーエコノミーの実現には、製品を作る動脈産業と、回収、再資源化を担う静脈産業の連携が不可欠です。しかし、現状は、再資源化された材料、いわゆる再生材の供給が不安定であったり、設計段階でリサイクルしやすさが考慮されていなかったりと、多くの壁があります。
そこで、石原大臣にお伺いいたします。
循環経済に向けて、現状と課題についてどのように把握され、それらの解決のためにどのような検討がなされているのでしょうか。お聞かせ願います。
石原国務大臣 委員が御紹介されたデジタル製品のパスポートも、リサイクル等の推進に当たっては、中身がどういう素材が入っているか分かるということで、重要な情報源の一つになるものというふうに考えています。
その上で、動静脈連携の促進に向けて、製造者側が必要とする質と量の再生材が安定して供給される市場構築が大きな課題だというふうに考えております。
このため、環境省では、昨年施行した再資源化事業高度化法に基づく環境大臣認定制度を通じて、製造業等の動脈産業と連携した再資源化事業の創出を図っているところであります。
また、加えて、自動車産業については、先ほどから政府委員も説明しておりますけれども、産官学のコンソーシアムを通じて、再生プラスチック市場構築に向けたロードマップを三月末に決定をいたしました。このロードマップに基づいて、再生プラスチックの集約拠点の構築のための段階的な取組や、再生材の回収に係るインセンティブ制度などの施策を実施していくところであります。
引き続き、経産省とも連携して、施策を総動員して動静脈連携を進めて、循環経済への移行をしっかりと実現してまいりたいと思います。
西園委員 ありがとうございます。
今、インセンティブ制度の話がございまして、私は非常に期待をするところでございます。特に、脱炭素の最前線にいる中小企業への支援を是非お願いしたいというふうに思います。大企業はGXを進める中でサプライチェーンがうまくできるんですけれども、その末端にある中小企業には、なかなか、排出量の算定や削減のプレッシャー、これが重くのしかかっています。しかし、多くの中小企業には、そのための資金も人材も不足しているというのが現状でございます。
GX推進は、単なる環境政策ではなく、地域経済の活性化策でもなければなりません。中小企業がこの変化を乗り越え、持続可能な経営を実現するための環境省独自の伴走型支援をどのように強化するのか、石原大臣の御見解をお伺いいたします。
石原国務大臣 お答え申し上げます。
二〇五〇年のネットゼロの実現に向けて、我が国の経済の屋台骨である中小企業が、地域の実情に応じた脱炭素経営を推進していくことは非常に重要であるというふうに考えております。
そのために、中小企業の方々に脱炭素の取組が企業経営にとって重要であることを認識いただき、削減に向けた取組につなげる必要があるというふうに考えております。
そこで、環境省では、事業活動から生じる温室効果ガスの排出量について、知る、測る、減らすの三つのステップにおいて支援を行っているところであります。
具体的には、知る、測るへの支援として、地域金融機関、地方自治体、商工会議所が連携して、脱炭素経営に関する普及啓発、また、企業の温室効果ガス排出量やカーボンプリントの算定等に地域ぐるみで支援する体制づくりを各地で進めているところであります。
また、減らすの支援としては、省エネ設備の導入支援などを行っております。重油でやっていたものを都市ガスに替えるみたいな、そして二酸化炭素が減るような、そういう支援というものも中小企業に対して環境省で行っているところであります。
今後とも、官民連携の下、中小企業の状況を踏まえたきめ細かな支援を行ってまいりたいと思います。
西園委員 ありがとうございます。
まさに、知る、測る、減らす、このそれぞれのステージでの支援がやはり本当に大事かと思います。
GXの推進とサーキュラーエコノミーの確立、これは、脱炭素と経済成長の両立を図る上で極めて重要な取組でございます。EU主導のルール形成に受け身で従うのではなく、日本の技術と価値を守りつつ、温室効果ガス削減に向けた国際標準を主体的にリードしていく、そのための仕組みを構築すべき、まさに今重要な局面にあるというふうに思います。
中小企業を含む現場の声に寄り添い、持続可能で強靱な経済社会の実現に向けた御尽力に期待をし、私の質問を終わらせていただきます。
本日は、ありがとうございました。
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